漁船20万隻のストライキ
漁船のストライキ。ちょっと面白い抗議だ。魚が高くなるまで大いにやればいい。獲り過ぎだし。漁業のやり方も、先がないことは確かなのだから。魚が安すぎるのもおかしなものだ。食べ物安いからと言って、そんなにいいことばかりじゃない。石油が上がれば高くなるのは当たり前の事。すっきり、価格転嫁すればいいのだ。20万隻が本気になって、ストライキすれば効果はある。所がどうも、そうは簡単に行かないようだ。石油高騰分の政府への補填の要求が、正面の方針として掲げられている。それじゃねぇー。そんなこと政府に言うほうがおかしい。子供じゃあるまいし、甘えたって何も出てこない。商売で船動かしてる人間の矛先が政府じゃ、話しにならない。スーパーに言えばいい。高くなければ売らないと、はっきり要求できない弱さ。その辺の肝がまるで据わってない。今の時代、スーパーという小売店が、価格形成の鍵を握ってしまっている。
生産者が、価格を決めればいい。そこの流れを取り戻すための、ストライキにすべきだ。生産者ほど強いものはないはずだ。と言っても、実はそっちが本命だったりして。結局食べる人が高くても納得すれば、言い訳で。今回のものが、値上げになるための第一ステップかな。もし、これで漁に出る船が減り、魚がぐんと上がれば、悪くはない。石油高騰の良い方の、結果のひとつが出る。安い石油をぐんぐん使って、大量に魚とって、循環の領域をはるかに超えている。このままという訳にはいかない。政府に補填を要求する根拠がどこにあるのか。それだけは、明確にしてほしい。運輸業界だって、自動車会社だって、石油の影響はこれから出てくる。そのたびに政府に補填では、おかしいだろう。今の伸びきった日本人の暮らしぶりを揺さぶる。これには石油高騰は大いにプラスしている。循環型のエネルギーへの転換も、進むだろう。
石油の高騰を、投機ファンドのせいにしている人が多い。莫大な石油でもうけた金が、又石油の先物相場に回る。だから、意図的に上げられていると、言うのだろう。もしそうなら、必ず下がる。投機と言うものはそういうものだ。ばばを掴まされるものが、馬鹿を見る。お金の行き場がないから、こうなる。当然の事だが、そうなると、わずかな利潤を目指して、お金は流れ込む。行き場がないことなどないのだ。全体で言えば、利潤が薄くなる。というだけの事だ。経済は生き物だ。そう言う事を読み込んだ上で、石油に集まったのだろう。ファンドの悪行を禁止しろ。こういう意見もある。それは資本主義を止めろと言うことと同じだ。資本主義は、労働者が一生涯かかって、生み出すような生産を金銭に変えて較べれば、資本はそれを一瞬に稼ぐようなものだ。生産をしない者でも、資本があれば有利な仕組みだ。
資本主義というのは、ばくち打ちの世界だ。宝くじで出来ているような世界だ。たまたま15億円があたって、金持ち暮らしをする。こういう暮らしぶりを奨励しているのが資本主義世界観だ。いまだ儒教的尻尾が付いている、日本人は資本に道義のような、倫理のようなものを期待するが、そもそも、もっとドライなシステムで動いている。極小の生産者ではあるが、このことは見据えておく事が、とても大切な事。不労所得を、同じ金だとは私には思えない。だから、そのことの分かる人間で、寄り添って暮すしかない。20万隻の漁業者のように、政府に補填をお願いする、ようなくだらない事は考えない。生産法、暮らしぶりを、了解しあえる者同士で、継続できる形を模索するしかないだろう。