籾殻クン炭製造機

   

籾殻クン炭は、とても扱いがいいものだ。軽いので、苗土を軽くする。腐敗を防ぐ。酸性土のペーハー調整になる。色が黒いので土が温まる。微生物には住処になる。種蒔きの際土に混ぜたり、上から覆ったり、苗土に混ぜたり、とてもいい効果がある。籾殻が秋に大量に出るのだが、今年はそのままになっていた。農の会のグループの田んぼの籾摺りは、ほとんどの人が、会の機械小屋でやる。籾殻はその裏に山になって貯まる事になる。一昨年の山がなくならないうちに、新たな山が出来ていったので、相当の量になった。籾殻のまま、使うという人もいるが、あまり良い印象がない。発酵して土に戻るのに、時間が掛かりすぎる。籾殻は種を守っているカプセルだから、土に帰りにくい性質がある。この性格をを上手く利用する人はいるようだが、クンタンにする一手間をかけると、さらに利用の巾が広がるし、どのように使っても上手くゆく。

以前は山にして、クンタン作りをしていた。何でも一気にやろうとするから、2日間は燃えていた。その後水を散々にかけて、袋に入れてしまった。相当大変な作業になっていたが。苗代に撒くと調子がいいから、つい頑張って作っていた。所がこれを袋詰めした、袋から煙が出た。完全に消えていたものが、最発火した。火事になった人の話も聞いたので、それからは作るのを止めていた。千田さんのところでは、とてもいいドラム缶を利用した。クンタン製造機があると聞いたので、これをみんなで取り組もうと言う事になった。アレコレ日程が詰まっていて、セルトレー種蒔きの前日にクンタン機を作り、初めて挑戦しようという泥縄である。一度作ってしまえば、籾摺りで集まった時に、籾摺り作業をしながら、一方でクン炭製造となれば、一挙両得、籾殻が片付くから、3得になる。

ドラム缶の底に近い側面に10センチほどの窓を開ける。ドラム缶の蓋には90センチの煙突を立てる穴を開ける。ドラム缶の底は、風が通るように細かな網を10センチ持ち上げて敷く。ここに籾殻をつめて、180ccの灯油を上からかけて、火をつける。消えにくいように紙に火をつけて、そのまま入れた。ある程度火が強くなるまでは、蓋をきっちりしないで、2,3分してもういいという状態で、きっちり蓋をして、煙突を立てる。煙突から煙が上がり、色が変われば良い。というがここは良くわからなかった。ともかく煙が上がったので、いいという事で、6時間置いた。まだ煙は出ていた。一個のドラム缶は煙突が倒れていた。蓋を開けて、水をかけながら、隣の密閉の良いドラム缶に、出来上がったと思われるクンタンを移す。2個の製造機のクンタンを1個のドラム缶に移してまだ空間が余った。蓋をきっちりして、重石を載せて終了。

6時間で少し、燃えすぎの感があった。煙突の倒れた方でさえ。燃えすぎの感じ。これは、下の空気取り入れ穴が大きすぎたのかと思うが、早く出来るのも悪くないので、5時間でいいとした方が。合理的かもしれない。それではいいクンタンができないと言う事かもしれないので、今後の研究課題だ。案外、よく火が付いたならば、1時間後に、煙突を倒すというのが、良いクンタンになる、秘訣だったりするかもしれない。その方が、籾酢が上部のクンタンに染み渡るとか。この辺は沢山やらないと見えてこないところだろう。今から、次のクンタンを仕込まなければ成らない。何しろ、明日使うクンタンがまだないグループがある。
今年のセルトレーの苗土は、焼土を使うし、クンタンも使う。いいという事は、あれもこれも取り入れている。いつもそうなのだが、いいと言われていることを一辺にやるから、何が良かったのだか。判らなくなる。でも判らない、それもいいかな。

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