マイコス菌の実験を始めた。
2025/04/24

のぼたん農園では水が足りない。マイコス菌を使った稲作は、水のいらない稲作りだという。先日農園に見えた、照沼農園の照沼さんが昨年やってみて、水がなくて稲が出来たので驚いたといわれた。これは天水田のぼたん農園の救世主になるかということで、早速取り寄せて昨日8番田んぼの苗代に播種した。
今回は芽出しした種子にマイコス菌をまぶして、苗代に播種した。どういう形で種子にとりつかせるのが効果的なのかも検討する必要があるだろう。乾いた種子に乾いた粉状の菌をまぶすということで、十分に菌がとりつくとは思えない。今度は芽出ししていない種にまぶして使ってみる。
湿気させた種にマイコス菌をまぶして、一日ぐらいおいて播種するというのが良いような気がするが、どうだろうか。ネット情報では効果がないというものもあるが。乾燥状態で稲が実ったということだけは、間違いないようだ。たくさんの事例がネットでは出ている。
根が直根からひげ根になるからだというが、なぜひげ根に変わるかの理由がわからない。水がないために水根が畑根に変わるのはあるだろう。しかし、水生植物がそういう変異を行う仕組みは、自然界でもあることなのだろうか。稲は水がないところでも穂をつけることは確かにある。
マイコス菌というものはアメリカで作られたもので、5種類の菌が混ぜられているらしい。菌根菌が含まれていることは確かだろう。大豆などのマメ科植物には根粒菌が共生する。根粒菌は空気中の窒素を固定することが出来て、空中窒素が土壌に固定されて土壌を豊かにしてくれる。
マイコス菌はどうも菌根菌だけではないらしい。根の性質を変えるという菌の作用というのはどういう仕組みで起こるのだろうか。ここはよくわからないが、稲の直根がひげ根に変わっている、とする映像がたくさん出ている。植物の根をひげ根にしてしまう微生物を見つけたのだろうか。あるいは遺伝子組み換えや放射線などで変異させた菌ということだろうか。
また腐食を分解させる微生物も混ぜているらしい。だから水が足りない圃場でも、腐食が多い土壌であると、より明確な効果が出るらしい。腐食を分解する微生物というのは、自然界に様々に存在する。炭素循環農法ではこの微生物の増加が起こると土壌の急激に豊かなものに変わる。
この効果は経験したことがあるので、炭素循環農法の原理は正しいものだと思う。しかし、それだけの木のチップを入れ続ける方法があればいいのだが、トレンチャーのような穴掘りの機械も必要になる。やはり大型農業向きの技術だと感じた。
蒔いた種に水はいらないというから、このまま様子を見るつもりだ。また大豆でもマイコス菌を使うとよくできるというので、これも早速実験に取りかかるつもりだ。小糸在来の種があるので、これを蒔いてみた。今まで大豆は3度やって一度も大豆は収穫ができていない。
一昼夜ほど大豆を水にしたして、それを生乾きにして、マイコス菌をまぶしたらどうだろうか。しばらくおいて乾かしてから、播種するのはどうだろうか。余計なことになるのだろうか。今回はよくマイコス菌の粉を大豆にまぶし、2日間おいてから播種した。石垣島での大豆の播種は、鳥の害などがあるので、素早く発芽させたい。
小糸在来品種では今までの実験では、石垣の気候に合わないのだとは思うのだが、もしかしたらマイコス菌を使えば可能になるかもしれない。試す価値はあると思うので、どこかに堆肥を入れてから蒔いてみたい。土に肥料がないからともかくできないので、よみがえり堆肥を入れるところから、蒔いてみたい。
腐植が多い土壌でマイコス菌は能力を発揮すると書かれていた。これも試してみなければわからないことだが、ともかく腐植の少ない石垣の農地では、腐植を増やすことが何より必要になるはずだ。黄からしなの緑肥を育てた後をすき込み、マイコス菌まぶしの種子を蒔いたところにも大豆を蒔いてみた。
マイコス菌はアメリカにあるRTiAG という菌根菌の会社と Driscoll's さんとカリフォルニア州立大学デービス校、ワインとかやっているところ で共同開発をしている菌であると書かれていた。 マイコスというのは実はブランド名で、菌の名前ではない。マイコス菌とい うものはいない。
マイコス菌一種類ではない。5 種類ぐらい菌根菌ブレンドで出来ている。 それぞれの中で的確にターゲットを、効果を出すようになっている。根をひげ根に変える菌。腐食を分解する菌。企業秘密な のであまり公開されていない。 1 つ目は、やたら根っこに吸着する菌。2 つ 目は、ゆっくりだけど、確実に行く菌。3 つ目は、除草剤耐性を作る菌。
菌はEM菌もそうだったのだが、微生物が特定されないまま、利用される。効果があるからいいという話になる。しかし、自然界にないような微生物の場合、自然を破壊してゆく可能性もないとはいえない。この辺の安全性は抑えられているのだろうか。
植物のリン酸吸収を促進する土壌改良資材であるマイコス(アーバスキュラー菌根菌=Arbuscular Mycorrhizal Fungi)は、土壌中に「樹枝状(arbuscule)」を形成し、水稲種であろうと根の際に感染し、先端を細かく枝分かれさせた特徴的な根はり構造を作り出す。
以下販売している会社の説明である。
マイコスはカビの一種です。大昔、あらゆる生物が海から陸へ上がった時から存在します。植物の根っこに感染し「菌根」を形成させ、互いに共生しながら増殖していきます。自然林の土壌には菌根が多く存在しています。菌根とは菌と植物の根が一体となった状態をいいます。これを形成する菌類を「菌根菌」と呼んでいます。
稲の根にマイコスを感染させると、土壌中に張りめぐらせた菌糸からリン酸を吸収し、クモの巣のような樹枝状体をつくりだし、宿主である稲と共生するためにそれらを供給します。逆に稲が光合成で生成する糖などのエネルギーをおすそわけしてもらい共生します。
マイコスに感染させ、水が極端に不足する乾田で実験してみますと、「樹枝状体(arbuscule)」が形成され、生育に必要な水分と栄養分をまかなえることが判明しました。また、草丈が低くなり登熟も早いことから、毎秋に懸念される台風での倒伏や稲穂の沈水も防止できます。
微生物資材の危険を主張する日本菌根菌財団というものがある。その主張を最後に載せておく。マイコス菌は古来から存在する微生物だとする意見もある。真実はまだわからない。
菌根菌に関する海外の論文を読むと,Rhizophagus irregularis というアーバスキュラー菌根菌(AMF)をみかけることがあります。一体何者なのでしょうか?
先ず,このAMFは自然界には存在せず,人間が作り出したものです。作り方とその危険性は下記に示す通りです。
- 1. 遺伝子組み換えニンジンに Rhizobium (旧Agrobacterium) rhizogenes という細菌(植物細胞に感染してDNAを送り込む性質“形質転換”がある)を感染させて「毛状根」(根だけで異常に増殖,第1図)を作ります。
第1図 毛状根(Sudha, C. G et al. 2013より) - 2. 「毛状根」に,Glomus intraradices と呼ばれるAMFを感染させると,Rhizophagus irregularis というAMFに変異していきます。
- 3. Rhizophagus irregularis は菌糸を異常に増殖させて胞子を多数作りますので,これを自然界で使用すると土着のAMFの減少および多様性の破壊や,毛状根から導入された遺伝子(根だけで増殖させる遺伝子)を自然界にまき散らすことが懸念されています。現在,菌根菌分野の国際学会でもこの問題が議論されており,この Rhizophagus irregularis の自然界での使用を禁止することを唱えている菌根研究者が増えてきています。
このように,Rhizophagus irregularis は,その名の通りイレギュラーなAMFであり,遺伝子組換え菌根菌と呼んで差し支えのないものです。絶対,自然界で使用してはいけません。現在,わが国では遺伝子組み換え作物の自然界での使用は法令で厳格に規制されていますが,Rhizophagus irregularis には全く制約がないのです。早急に,わが国政府がこのAMFの自然界での使用を禁止する法律や,一部の心無い会社がわが国の地力増進法(7)を守らず販売している現状を取り締まっていただきたいと願っています。