小麦、タマネギ、味噌づくり。

   


タマネギ畑の様子。

 今回小田原に来たのは、小麦とタマネギの様子を見るのが第一目的。そして味噌づくりである。麹を作りみそを仕込むので、どうしても最短でも9日間必要だった。水彩人のこと等もこの間にあったので、せわしない小田原滞在だった。

 小田原に来るととくに思う事だが、私がこうして農業を出来ることは農の会の仲間がいるからである。麹づくりも、味噌づくりも、為ネギも、小麦も、みんなのお陰でやることが出来る。有難いことだ。足手まといにならないようにやれる間は加えてもらいたいと思っている。

 昨年は小田原の寒さで体調を崩したので、今年は相当に気を付けて暮らしていた。今年は例年よりは暖かいこともあり、体調も問題なく過ごすことができた。成田空港を行き帰りで通過するのでマスク着用である。東京に行くとき、電車の中、バスの中でもマスクをしていた。

 今の私には人込みはマスクが必要な状態かと思う。そもそも肺が弱い。寒い空気を吸うと咳き込むようになる。肺炎は要注意である。結核を昔やったことが影響しているのかもしれない。この点石垣島に行って、身体が楽になった。



 玉ねぎは順調な生育だった。初めての場所で標高もすこし高く相当寒くなることが予想されたので。今年は穴あきトンネルの使用を全体にかけた。いくらか風に飛ばされたようだが、幸い私の所はしっかり埋めたので大丈夫のようだった。

 今年は雨が多いいので、乾いて水やりをしなければならないという事もないようだ。トンネルの中もしっとりした状態だった。雨の少ない年だと、閉じ切っていたのでは少し心配になる。

 ビニールトンネルは昨年私だけ実験的にやってみた。結果が良かったので全体にかけることにした。久野が少し寒いという事があるのかと思う。特にタネバイでタマネギに食害が全体であったのに、穴あきトンネルにした私のものだけまったく食べられなかった。

 今年の場所は風の吹くそうな寒い場所である。土もまだ良くない。玉ねぎは十分には出来ないかもしれないが、今のところそれなりにできてきている。立ち枯れた様なものはない。先ずは一安心した。草が少ないのはしっかりと燻炭で表層を覆ったからではないかと思っている。

 種をまいて苗から作ったものが半分。購入した苗が半分ぐらいだろうか。何とか根付いて入るので、春になれば、生育を始めてくれるだろう。玉ねぎも追肥が出来ればした方がいいかと思う。ただ私は4月まで小田原に来れないので、どうなるかちょっと心配である。世話になるしかないので、申し訳ない限りだ。

 トンネルは新しく購入したわけではなく、イネの苗に使っているものを再利用した。かなり汚れてはいるが、まだ使えるので使った。もう5年以上使っているものだと思う。ビニールは洗って使うほどに大事につかっている。

 本来は有機農業ではビニール資材は避けたいところだ。しかし、どうしても使わざる得ない場面もある。こだわって使わないで上手く行かないよりは、大切に使えば許される範囲もあるのではないかと思っている。



小麦畑の様子

 小麦は発芽してくれるかどうかさえ心配だった。カラスの大群が押し寄せていたのだ。カラスは大豆の落ちた粒を食べていたらしい。その後小麦の種に行くのではないかと心配した。何故か小麦の種は食べないでくれた。

 小麦の発芽はうまく行った。今の所それなりの生育になっている。草もそれなりに生えていた。この段階で草取りをしておくと、この後の草がだいぶ違う。麦が生育を始めてくれて、雑草よりも先行してくれるといい。

 半分が炭素循環農法の畑で、チップが大量に入っている。半分は大豆麦の繰り返しである。大豆に関していえば、炭素循環農法の畑の方が、出来が良かった。麦は逆になると予測している。麦は2年目の炭素循環農法の畑では窒素が少なくできない可能性があると思うからだ。



 麦踏をして、ソバカスの追肥をした。麦は毎年肥料不足になる。追肥はかなりやらないと十分に分げつが取れない。麦が取れるような土壌になるには5年はかかるだろう。

 まだ2年目では収量も期待できない。毎年成育不足になっている。今年は1反弱あるので、250キロは少なくとも取りたい。もう一度土寄せ追肥がいるかもしれない。これも来れないので、小麦の会のみんなに期待するほかない。

 麦踏は小田原ぐらいの寒さの場所では意味がない。今年は霜柱自体が2回目だと言っていた。比較調査を繰り返したが、麦踏をしたら分げつが増えるという事はなかった。ただ、土寄せ追肥ははっきりと効果がある。

麹の仕込み

 麹の仕込みは1月19日だった。50口ぐらいの麹の仕込みである。一口3キロだから、150キロのお米を麹にしたことになる。あさ8時から夕方4時過ぎまでかかった。途中家に戻り、麹を保温カーペットに設置して、3時ごろにまた戻った。

 麹の出来はまずまずだった。根守さんの麹がとても進んでいて、いいものだった。なんと、月曜まで発酵を継続したという。味噌麹はこの方がいいと思う。お米の芯まで麹菌が入っていた。根守さんはなかなか研究家だ。千葉に行ったときは何しろ背中に麹のリュックサックを背負っていたぐらだ。ぜひ、農の会の野菜作りをまとめてみてもらいたい。

 皆さんがずいぶん頑張ってやられていた。大豆の会は心地よい空気が流れている。これが一番大事なことだ。私の麹はもう一つの出来であった。何とかなるだろうというレベルである。落ち着いて面倒が見れなかったためだと思う。麹は気持ちの問題がかなりある。

 味噌づくりも70名位の参加で、過去最高の参加者数ではなかったかと思う。しかも小雨に降られた。どうなることかと思ったのだが、素晴らしいことに、少しの問題もなく、見事に流れた。

 特に子供たちが、10名以上いたと思う。楽しく遊んでくれたと思う。MAGOの森の味噌づくりに子供たちが沢山いてくれたのは、嬉しい限りである。参加できてよかったと思う。

 なぜ、こんなことが実現できているのか。考えてみれば奇跡的なことだろう。米を作り、大豆を作り、麹を作り、味噌を仕込む。この一連の流れを、農の会の仲間の力で実現している。しかも、70名もの味噌づくりである。

 こうした心で繋がった活動が次の時代の方角を示している。私が離れて1年以上たつ訳だが、私がいたころよりも見事に盛り上がっている。この仲間なの力というものこそ、次の時代の希望だと思う。

 若い人たちもたくさんいた。子供たちもたくさんいた。みんなの心の中にこうした活動が灯火を灯すことを願っている。大豆の会の皆さん、ありがとうございました。

 

 

 

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