日本が最貧国になる予測

   

南海トラフ巨大大地震が起きた場合、二十年に及ぶ経済的被害などが千四百十兆円に上るとの推計を七日、土木学会が公表した。石久和会長は「大災害が起これば日本は最貧国になりかねない」と話した。

日本が最貧国になると想定された。まだ現実感は少ないが、大津波を軽んじた東電の二の舞をしてはならないだろう。巨大地震で最貧国になるという予測である。西日本豪雨を見ると、現実的な予測と考えなければならない。日本列島は自然災害多発地帯だ。毎年強烈な自然災害が繰り返し起こる。日本列島は危険に満ちている。人間がアフリカで誕生し、何万年という時間をかけて、日本にたどり着く。人間という動物は、自分の住処を新しく捜し歩く性格を持っていたようだ。そのことが人類としての能力を磨いて行くことにつながったのだろう。未知の生活環境へ順応できる能力。新しい環境の中でどう生きるのか。寒くなれば服を着る。食べ物が無くなれば保存をする。食糧が変われば新しい道具を発明する。日本列島にたどり着いた人類はこの魅力的な土地に喜んで暮らすことの工夫をしてきた。災害が繰り返し起こる。その災害が日本人を鍛えたともいえるのではないだろうか。大噴火が起こる。大洪水が起こる。大地震。台風。ありとあらゆる自然災害が日本列島では起こる。その度にやり直した民族である。

この変動してゆく日本列島という場所こそが、日本人が暮らす場所である。阿蘇の大噴火で九州の縄文人がほぼ全滅したと言われる。それでも回復を果たした。このままでは日本は巨大津波で、最貧国になるほどの損害を被るというのだ。現実として想像すると背筋の寒くなる思いがする。このまま手をこまねいていたのではいけない。日本人の大半の人が、危険な場所に住んでいるという覚悟がいる。海岸線ならば、すべて津波の危険がある。川や谷間のそばに暮らしていれば、土砂災害の危険。巨大台風の被害もある。まさに日本沈没がいつ起こるかわからないような、環境のなかに暮らしている自覚が必要なのだろう。舟原でも奥の所で林道の崩壊が起きている。山には間伐した材木が至る所に散乱している。崩壊した道は森林組合の管理下にあるという事だ。直すことができない状況が林業の中にあるという事だろう。前回の崩壊では下の田んぼは泥に埋まった。その危険な状況のままに、大雨が降る季節が巡ってきている。山の管理が十分には出来なくなっている。山から海までの人の暮らしの循環を考えると、山が空洞化している。

最貧国という状況の現実的連想には衝撃がある。全ての人が、戦後10年間のような暮らしになるという事だ。ひ弱になった日本人が最貧国になって乗り越えられることとは思えない。政府は十分な対策を打てないでいる。確実に想定されている巨大地震をどのように対処するかである。人の暮らしが失われた、日本の山をどのように管理するかを考える必要がある。都市に人が集中して暮らし、山を顧みることがない。そしてその集中した都市に大津波が予測される。都市に暮らす日本人の在り方を変えなければならないのかもしれない。危険分散という意味で多種多様に暮らしている状態の方がしぶといだろう。自給力を高めておくという事も必要である。危険対応力の向上も必要だ。地方に暮らせる条件を作る。それが災害対策にもなるはずだ。日本の安全保障にもなる。目先の国際競争力どころではない。足元が危うくなっているのが日本の現状である。ところがアベ政権は、豪雨災害の最中に、明日オウム死刑が執行が控えている日に、総理大臣や法務大臣が宴会で気炎を上げている。何か気持ち悪くなる。

 

 

 

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