何故、財務省の公文書の改ざんが起きたのか。
財務省において、国有地の払い下げについての公文書が書き換えられ公表されていた。議会制民主主義をないがしろにする由々しき事態である。当初から取引過程の記録は廃棄されたと主張されていた。こうなってみると森友問題が国会で問題にされてから、取引記録は廃棄された可能性が大きくなった。何故、こんなことが起きたかである。アベ総理大臣が日本会議の議員グループの副代表と記載されていた。そして「日本会議大阪」の代表・運営委員事務局をしているという人物が、今では詐欺師と安倍氏から名指しされた籠池氏である。国有地払い下げの当事者が右翼仲間である。こんなことが記載されていた公文書である。そして、安倍晋三記念小学校と命名しようとした。名誉校長がアベ夫人のアキエ氏である。優秀な官僚であるからこそ、安倍夫妻の陰におびえながら、財務省は土地の払い下げを行ったのではなかろうか。アベ氏は自分たちが関与していいたら、国会議員を辞めるとまで国会で答弁した。多分そこまで見えを切れば、国民を欺けると考えたのであろう。つまり安倍夫妻は関与していたのだ。ここから財務省理財局長の嘘の答弁が始まる。その嘘の答弁に基づき、公文書の改ざんが起きたのである。
自民党の腐敗が進んでいると考えなければならない。この事件はソフト独裁の実態をうかがわせる氷山の一角なのだ。ソフト独裁は回りが作り上げるものである。自分が優遇してもらおうと、安倍氏を忖度するという形である。佐川元理財局長はこうした公文書偽造を行った功績で、国税庁長官に昇進した。唯一救いを感じるのは、この公文書の書き換えが内部告発で発覚したのであろうという事だ。関係者の中の誰かが、朝日新聞に改ざんしたコピーを持ち込んだのだろう。その良心を信じたいと思う。もし、それがなければ、書き換えが見えないまま佐川局長の国会での悪質な答弁で全てが闇の中で終わっていただろう。当然この事態は初めから、アベ内閣は承知していたに違いない。承知しながら、ごまかしとおせると国会答弁をしていたのだ。驕るアベ長期政権の腐敗構造が、政権だけでなく省庁にまで広がっている。ソフト独裁の実態である。あからさまな権力行使ではなく、周囲が自ずと忖度して従う独裁政権である。
財務省の内部では、森友問題で都合の悪いことをしてしまったという自覚が生じた。安倍総理を忖度して、総理大臣に従い、守ることが官僚の務めだという意識。上手く立ち回れば見返りがあるとも考えたのだろう。詐欺師氏に騙されたアキエ夫人であった。アキエ夫人の名誉校長の教育施設でまさかこのような詐欺事件があるとは、財務官僚にしてみれば思いもよらなかったのだろう。しかも右翼的な多数の政治家や、日本会議も関与していたことが分かっている。この事件が起きた背景は、安倍昭恵氏が教育勅語を暗唱する子供たちに感激したことに始まっている。誰が何に感動するのかは自由ではあるが、さすがに現職の総理大臣夫人が名誉校長まで引き受けるのは浅はかではないだろうか。たまたまこれが、日本会議のメンバーの幼稚園であったことでアキエ夫人は乗ってしまったのだろう。安倍夫妻は国家主義的な思想の持ち主であったがために、森友学園の詐欺に巻き込まれることになる。教育勅語を暗唱するような、安倍晋三記念小学校は素晴らしいことだと感動してしまったに違いない。日本の義務教育も早く憲法を改正して、安倍晋三記念小学校にしたいと思ったことだろう。
この事件で考えなければならない点は、公文書改ざんがあろうがあるまいが、アベ忖度事件をありそうなことだと考えていることだ。原発再稼働の是非を地元の方々にインタビューをすると、原発反対にはならない。心ならずも様々なことを忖度しているのだ。原発がそばにあることを喜ぶ人は居ない。しかし、原発利権を無視はできない。我々の日常はそのように利害優先でできているからだ。この故郷の未来よりも、経済を支えるものが少ない地域では、今の経済の方が大切だとしてしまう。そして、その発想から、日本の社会にはアベ腐敗政権の支持を変えようとしない人が多数存在することだ。誰だってさすがに、公文書の書き換えはまずいとするだろう。しかし、自分の利害がかかわれば、国家の未来どころではなくなってしまう。この国の価値観は拝金主義になっている。お金より大切なものは何一つないという人が多数派になってしまった。ソフト独裁はこうしてできている。ここが問題の根だ。
佐川局長の国会答弁を思い出す。あのまるで木で鼻をくくったような全否定の答弁の裏で、文章の廃棄を命じ、公文書の書き換えを命じていたのだ。そのことをやらされた担当職員は自殺をしてしまった。こうなってみると、アベ政権の丁寧な説明というものが国民を欺く宣伝に過ぎなかったことがわかる。私が知る限り、アベ政権の恐ろしさはかつてないものだ。ソフト独裁というものを許してしまう日本人の体質を巧みに操作している。今アベ政権の恐ろしさに気づき、アベ政権を倒さない限り、さらにひどいことになることは目に見えている。こうした政治にしている原因は小選挙区制にある。安倍に気に入られて出世したいというような、打算的な自民党議員ばかりになってきた。小選挙区制においては、アベを忖度しなければ自民党でも優遇されないからだ。それは、公明党のあざとい行動にも表れている。巧みな立ち位置で国民を最悪の状況に導いている。いまこそ国民全体で、ソフト独裁を否定するために、アベ政権を否定しなければならない。これは最後の機会かもしれない。