トランプのエルサレム「首都」宣言

   

トランプアメリカがイスラエルの首都を「エルサレム」と断言してしまった。何という無謀で、状況を悪化させる人間なのであろうか。アメリカが紛争の仲介役としての役割を一定行ってきたのは、圧倒的な武力と偏りのない判断力があってのことだろう。世界中からトランプ批判が相次いでいる。エルサレムの帰属はイスラエルとパレスチナの和平交渉で決めるというのが、米国を含む国際社会のこれまでの立場だ。エルサレムが3つの宗教の聖地であり、かねがねその帰属で戦争が繰り返されてきたのだ。トランプ氏は、各国の同意を得ることなく、一方的に、親イスラエルの姿勢を鮮明にした。その背景にはトランプを支持するユダヤ系アメリカ人の多額の資金提供があると思われる。拝金主義者トランプのやりそうな悪行である。石原慎太郎が尖閣の都有地化の宣言をしたことを思い出す。わざわざ問題を悪化させて、個人的な思惑で行動する。こんな大統領を選んだアメリカ人を馬鹿とは思うが、世界の危機は日に日に高まるばかりである。

エルサレム問題で、ことさら恥ずかしいことは、日本政府の対応だ。慎重に注視すると、河野外務大臣が発言しただけだ。何という鈍い、低劣なアメリカの手下政権どもか。世界中の首脳が一斉にアメリカの判断に対して、即座にトランプを間違っている。すぐにもやめろと発言している。当然のことだ。戦争の引き金を引こうとしているのだ。にもかかわらず、日本の総理大臣であるアベ氏に至っては発言すら出来ないで沈黙である。トランプアメリカの顔色をうかがう以外に考えもないようだ。日本国憲法に示された平和主義はどこへ行ったのだ。同盟国のつもりなら、間違ったときには間違ったと発言しなければ、戦争に巻き込まれることになるのだ。ヒットラーと同盟を結んだ日本帝国と何ら変わらない。アメリカの配下でいるだけで選択能力すらないのがアベ政権である。もし安倍政権がまともな判断力があるなら、アメリカとの同盟関係を見直さざる得ないとこの際発言すべきだ。そうでなければ、トランプの行う世界中での諍いに日本が巻き込まれる。

沖縄の普天間飛行場では、またヘリコプターから落下物である。幼稚園の屋根に落ちてきた。何度アメリカ軍に対して抗議をしても、日本政府が歯牙にもかけられていない現実がここにある。繰り返し米軍飛行機の事故が起こる。その度、日米地位協定の不当が言われる。小野寺防衛大臣は強く抗議をし、二度と事故が起きないようにアメリカ軍に要望した。ということだ。空しく、恥ずかしくなる。何度この言葉を繰り返せば終わるのか。先日も米軍兵が酔っ払い運転で死亡事故を起こしたばかりだ。今回の事故では、警察からの通報に対して返答すらまだない。アメリカ軍は占領地域のつもりなのだろう。敗れた日本が何を一丁前の口を利くのだ。程度の意識しかないのだ。北朝鮮に対しても、刻々先制攻撃を行いそうである。アメリカにミサイルが届く前に処理しようとする可能性が高まっている。日本はこの事態に至ってもアメリカに何一つ発言が出来ない国というのだろうか。

中東問題は複雑に絡み合っている。ユダヤ人問題もある。宗教問題もある。経済格差や石油の利権という事もある。エルサレム問題は先送りする以外に解決はないのだ。イスラエルは北朝鮮と同様の、核保有国である。近隣諸国に核攻撃すらしかねない国なのだ。近隣のイスラム圏にとっては、北朝鮮と変わらないテロ国家なのだ。何故イスラエルの核保有が許されて、北朝鮮の核保有が許されないのか。トランプアメリカの正義は目先の自己保身である。この低劣なアメリカに対して、まったく発言すらできない日本国とはいったい主権国家なのだろうか。核保有国以外には主権がないのか。これでは北朝鮮が核保有するという事を批難できない。日本の平和主義は、武力で世界が動くのではなく、戦争を憎みそれを回避するために、武力以外のあらゆる方法を模索する考え方だ。何もしないで、核の傘に隠れている間に、トランプアメリカの戦争に巻き込まれてゆく。

 - Peace Cafe