2017 謹賀新年

   

あけましておめでとうございます。

2017年を迎えました。年賀状紙芝居風に始めてみます。

2017の年賀状いろいろである。今朝、それぞれの方に届くことだろう。絵を通して私の気持ちも届けばいいのだが。水彩画の私の描き方がわかるので、並べてみた。郵便局に持って行く前に一部写真を撮った。良いものという事でなく、上から14枚である。それぞれの方の顔を思い浮かべながら、絵を選んで宛名を書いていった。

まだ描いたはがき絵は残っているのでほしいという方がいれば、送らせてもらうので、メールで住所をいただければ送らせてもらいます。毎年時間をかけて年賀はがきを描くのは、自分の楽しみである。今年は、住所を手書きした。これは久しぶりのことだった。

今年の賀状の多くは太陽である。一陽来福の思いである。描いている内に絵ができてしまい、太陽を描かずに終わりにした賀状もある。まだ太陽が昇っていないだけで、これからのぼるところだったのだ。

こうして並べると、一枚だけではわからない、水彩画の多様な表現が分かってもらえるかもしれない。水彩画は絵具の水の溶かし方で、全く違う状態になる。だから、絵をイーゼルで立てて描くことは私にはできない。寝かして描き、流れなくなってから立ててみる。と言って流れてゆく形は人為的に作っている。

極めて薄く塗られている。紙はすべてアルシュである。粗目のロール紙である。アルシュの良さは何を書いても、調子を作ってくれることだ。しかし、それがかなり危険な要素でもあると思っている。赤に下に描いた白が浮き上がっている。この加減など、やってみなければわからないものだ。1週間ぐらいたつと安定する。

門より出る初日の出。太陽はすべてたらしこみで描いた。最初からその計画である。その場合混ぜる絵の具の色が重要で、ローズマダー、カドミュームオレンジ、と何かのレッド。ニュートン社製である。顔料の重さの違いが、タラ仕込みでは影響してくる。乾きながらの変化を予測し、操作する。

水彩を描く人と話していて、空を描くときの、セルレアンブールーとコバルトブルーの話になった。どうも話が食い違うのでおかしいと思ったら使うメーカーが違っていた。同じ色名でも会社によって全く違う色味であるのが水彩絵の具だ。色を選ぶと同じくらい、製造した会社を選択する必要がある。この場合の塗りつぶしの白は重要で、ガッシュの白である。白の下の色を隠ぺいする違いが重要になる。

太陽がハート型になるのも面白い。何枚もハート形のものを描いた。年賀はがきは全部で210枚描いた。描きだすと止まらなくなりどんどん進む。

ただちぎれた太陽も、何か円を描く面白さがある。墨で黒い下地を作り、そこに月光荘の白で雲を描く。ガッシュとはまたわずか違う。白は多様だ。夜空の明るい雲は面白いものだ。三橋さんから貰った白い絵の具がまだある。三橋さんの気持ちがあるから大事に使っている。その上から、丸を書いた。こういう時は筆が意味を持つ。筆は不朽堂の隈取筆の白雲である。太く含みがなければ私にはだめだ。

海からハートの太陽が浮かび上がる。海の色はなかなか表わせるものではない。しかし、自由に描けるところもある。特に水平線が大切になる。本当は海に光が走るのだが、それは止めにした。

オレンジの太陽。はがきを出してしまえばもうわからなくなってしまうのだが、こうして記録しておくと、なんだか自分も楽しめる。210枚並べてみればもっと面白いかもしれない。

こずえをよぎる太陽。太陽を描くとなると、やはり、その下の人の住む地面のことが気にかかる。大きな木が陰になり明けてくる。本当はまぶしくてよく見えないのだが。平戸で太陽ばかり見て描いて居て、眼を悪くしたのかもしれない。

波がしらの太陽が雲にかすむ。もう少し太陽を強くしても良かったか。それとももっと霞ませればよかったのか。こういうところが描く楽しみである。

最後は海に浮かぶ穴あきの太陽。太陽は崩れて見える時がある。

水彩画の紙芝居。印刷でこのくらいの色が出てくれればいいのだが、私のパソコンで見るものと人によって違うのだろうか。自由転載。自由利用可。

 

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