日本分け目の参議院選挙

   

いよいよ、参議院選挙である。日本分け目の選挙に違いない。近年では最も重要な選挙になるだろう。この選挙で自民、公明や右派政党を含めて、3分の2の議席を確保すれば、いよいよ、憲法改定に進む。たぶん最後の戦いとなる。戦いとは、日本が軍隊を持つかどうかの戦いである。自衛隊にとどめるか、アメリカや中国のような、軍事力で世界を動かそうとする国に加わるかである。6月22日に公示、7月10日投開票である。私はとても怖い。右派連合が勝ちそうな気分に襲われるからである。アベ人気はなかなかのものだ。しかも公明党はなんと今度の参議院選挙では改憲は争点にならない問う理由で、公約では触れないことにした。触れれば不利になると考えているところが、公明党らしい。その他紛れ右翼もままいるようだ。これほど日本の政治が右に偏ったことはなかっただろう。これほどの憲法の危機はかつてなかった。

参議院選挙が最後の戦いと考えるのは、憲法改定勢力の核心部分は老齢化している。もちろん同様に左翼勢力というのも私を含め老齢化している。老々対決であろう。次の世代は政治に熱意が薄い。もちろん老人も政治など関心がない人が大半であるが、左右に確信犯が頑固に固まっている。あと10年すれば、ほぼこの頑固な塊が居なくなる。ここが最後の分岐点と考える。日本の相対的経済力は、ダダ下がりとなるだろうから、たぶん軍事力で頑張れるような状況でなくなっている。武装化したところで、経済を圧迫するばかりで、ろくな競争ができないだろう。もちろん先のことは次の世代にお任せすることだ。しかし、今回だけはそんなのんきな状況ではない。相当に危ういのである。憲法改定して、明治の御代に戻りたい亡霊が最後の戦いに挑んでる。時代錯誤の軍事力神話の狼煙が見え始めている。ここでこの種火を消さなければ、燃え上がる炎が消せなくなる。

最大の関心事は経済である。政治と言っても選択は経済で決まると考えた方が良い。今の経済状態が良くないという事は、多くの人が感じているところである。一部に富裕層が産まれ、経済格差が広がり続けている。それは日本だけのことではなく、世界共通のことのようだ。つまり、能力主義が経済の国際競争に連結している。企業にすれば、青色ダイオードを作れる人が一人いれば、後の1万人と同じ価値になる。その一人が、世界でも際立っていなければ世界競争に勝てないと考えているのだろう。となると、能力のない者は黙って、優秀な人に従うほかないという経済の世界である。そうしなければ、国際競争に後れを取ると脅されている。しかし、一番でなければならない訳で、一番は世界に一人だから、日本人が一番になる確率は、極めて低い。この点ではアベ政権が悪いのではない。いずれ世界競争に負けるに違いないという不安。こういう恐怖感がアベ政権へのしがみ付きになっている。

日本は国の成り立ちを思い返してみるべきだ。国際競争に勝つ為に日本がある訳ではない。日本人がこの国土で豊かに穏やかに普通に暮らすことが目標である。民進党の人間への投資は、良い発想である。子供を中心に人間性を育むことだ。豊かな日々を送るために、平穏な暮らしを再構築する。文化的な日本人が育たなければ、豊かな国に成れるはずもない。幸い、日本列島というたぐいまれな水土の国である。ここで、人様に迷惑をかけないように暮らすことだ。人間が生きるという事をより深く全うするためには、他者とくらべる生き方ではない。自分がどんな自分になりたいかであろう。世界中が自国主義に傾き始めている。アベ政権は大企業を良くすれば、日本も良くなると主張して、大企業の利益を優先し続けている。このために、日本は極端な階層社会になり始めた。野党連合が出来た。野合と批判している自民党は、アベ企業傀儡政権と宗教政党の与党連合である。天下分け目の選挙である。

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