日韓問題

   

韓国と日本の関係は、李承晩のころに戻ったようだ。しかし、これは報道や政府の行動によって作られた曖昧な意識で、実際の人間同士では全く異なる。韓国の人と生に接触すれば、ごく普通である。ネットの世界でも盛んに朝鮮批判をする人たちがいて、まるで日本人すべてが朝鮮人を憎んでいるかの如くの印象を与えるが、ヘイトスピーチをする人たちと同じで、極めて少数の人が、熱中して悪く書いているに過ぎない。コピーされたように類型化されている悪口ばかりである。同じ人が名前を変えて書き続けているのかと思われる。問題は韓国の人たちが物分かりが悪くて、日本のことを誤解しているという固定した印象を、悪意を持って作ろうとしている。この悪印象がこんなに日本は謝罪しているのに、全く考慮もしてくれず、前進どころか後退ばかりだ。これではもう付き合いようがない。というような悪循環に入っている結果なのではないか。たとえてみれば、日本はわがままな弟で、韓国は出来の悪い兄貴で、中国は困ったおやじだ。それぞれに問題はある。

韓国の事情としては、報道機関にある限界の問題が大きい。韓国では一応表面的には、親日はあり得ない。親日を表明すれば、社会的に排除される恐れがある。それは韓国社会が建前社会で、謙日という建前のもとにやってゆくことが暗黙のルールとなっている。AKBの方が、KARAよりいいと思っても、そういうことを公に、発言することは公人や人気商売では危険なのだ。大きなとげが従軍慰安婦問題である。日本でも朝日新聞のねつ造だと、鬼の首を取ったように言う人が後を絶たないが、戦時下の軍隊に慰安婦はつきもので、過去も現在も未来も同様である。以前それに類することを橋下氏が公言して大問題になった。そもそも軍隊というものが問題なのだ。人殺しをしなければならないとか、明日の命も知れずという人間であれば、正常な状況ではいられない。それが普通のことだ。そんなことは韓国でも十分承知の上で、戦略としてこの問題を特化しているのだ。この仕切りを明確にしないで、議論するから混乱する。従軍慰安所はあったのだが、軍隊の、あるいは国家の関与が公式なのか非公式なのかという問題だろう。

韓国と中国の関係がとても奇妙である。北朝鮮との対立が原因なのだろう。何とか中国という虎の威を借りて、北を威圧しなければならないと考えているのだろう。このために、中国の覇権主義の中に韓国が巻き込まれる結果になる。中国は韓国を巧みに利用している。韓国は利用されているふりをしながら、北朝鮮の孤立を画策している。極めて危険な綱渡りだが、已む得ない北朝鮮の凶暴性が存在する。こうした韓国の已む得ない中国接近が、日韓関係をさらに複雑化している。アメリカと中国の覇権争いがある。アメリカも中国も、世界一が好きだ。日本では中国の覇権主義が批判され、アメリカの覇権主義は受け入れている。本来であれば、日本はアジアの一国として、中国との関係を模索する必要がある。アメリカとつるんでいるのは、経済の問題であろう。アメリカとの経済連合が日本企業に有利であるという判断である。

経済の問題が大きい。韓国は日本と似ている。似ているうえに先行し徹底をしようとしている。輸出依存であるし、まさに国際競争力がなければやってゆけない状態。格差が深刻であるし、社会的なひずみも目立ってきている。日本もこのまま行けば韓国のようになると考えていい。日本の将来を表しているような状態である。そうした経済的なひずみが深刻化してきている。経済も成熟化しているから、第3の矢が必要な状況なのだろう。簡単なことではない。となると国民は北朝鮮や日本が悪者にしたい心境だろう。つまり、日本の右傾化というような意味も先行している。今後も経済が良くなる可能性は少ないから、日韓問題は、深刻化せざる得ないとみていた方が良い。韓国の人は、中国人よりもずっと日本人に近い感覚がある。ほとんど同じと言えるほど近い。絵を見るとそのことがわかる。

 - Peace Cafe