憲法解釈変更と自民党憲法

   

自民党は本来であれば、自民党憲法を革命的に成立させて、その上で、普通に軍備の持つ国としたいと考えている。それは自民党党員の誰もが否定しない事だろう。中谷防衛大臣によれば、安保法制に適応させるよう憲法を考えると、逆の事を言っている。憲法を改定するのは、当面難しいと考えているので、先ず憲法解釈を変更して、そんなことが出来るのかどうかも怪しいのだが、ともかくアメリカとの対等の軍事同盟が結べるようにしたいと言う事だろう。具体的事例は、ホルムズ海峡の機雷の除去が行えるようにすると言う事らしい。これが日本の生命線だからという理由らしい。戦争の理由は経済封鎖が多いものだ。機雷を設置すると言う事は、外国船がそこを通れなくするための行為である。当然当事者は取り除こうとする者に攻撃を仕掛けることになるのだろう。という事は、機雷を設置した国と日本は戦闘状態になると想定しなければならない。果たして、石油の為に戦争をする国を目指すという事で、いいのかである。

安倍政権はともかく経済競争をすべての大前提としている政権なのだろう。多分大抵の国がそうなのだろう。石油が来なくなって経済が悪くなるとすれば、戦争も辞さないという事を主張している。お金の為なら戦争をするという国を目指すという事だ。確かに多くの人の本音がそこにあるから、自民党が多数派なのだろう。しかし、政治がそうであるとしても、果たして日本国が経済だけの国なるのは、私は嫌だ。経済は確かに国の基本である。しかし、石油の為には戦争も辞さない国というのでは、世界中で尊敬はされないだろう。単なる姑息な、経済の競争相手としか見えないだろう。日本が平和憲法で主張しているのは、国際紛争を平和的手段で解決するという目標である。つまり、紛争国から、信頼され、日本の主張を聞き入れてもらえる国に、日本が成長する事であろう。どう憲法解釈を変えたとしても、この憲法の精神を外れてはならない。

日本の主張が偏らず、独善的でなく、世界の為であるという事が、平和主義の大前提のとなる。その目標の為には、アメリカとの軍事同盟は、大きな偏りではないか。日本の主張を聞き入れる国は無くなるだろう。日本を中立的な公平な国で、テロの対象ではない。そのようには見てくれなくなるだろう。これでは日本の行う平和的努力は、今以上に効果を上げにくくなる。安倍政権はきれいごとより、お金だと決めつけているので、日本の国家としての尊厳を損なうという意味を理解していない。もし、安倍政権が憲法を拡大解釈のし過ぎの安保法制を作りたいとするなら、堂々と憲法改定を行うべきだろう。その上で行うのであれば、日本という国の有り方が憲法に表われているのだから、何処の国からも文句は言われない。今の状態は、平和憲法を掲げて、きれい事を主張しながら、裏ではアメリカとの軍事同盟という、卑怯な国に見える事だろう。それが戦争のリスクを増すという事になる。

安倍氏はわざわざ、アメリカ議会で隷属的態度を表明し、軍事同盟の出来る法律を作ると約束をした。今度はドイツで、この法律が憲法違反ではないと、理由を示さず語っている。これは結果的に、日本のアメリカとの信頼関係を崩す行為である。国会では丁寧な説明をすると言いながら、実例はホルムズ海峡に限定しされている。どういうときに、自衛隊が軍事行動を行うのか。厳格な3要件に縛られると言いながら、具体的には何も示さない。以前表明した機雷除去だけである。具体的な説明をしない理由は、アメリカの言い成りになるためである。どんな戦争にも理由を付けて制限なく参加するためである。今回の法律は、法の善悪は別にして、日本が軍事国家になって行く大きな曲がり角である事だけは確かだ。静かに、つまり、憲法の改定などしないで、いつの間にか軍事国家になろうと言う実に姑息なやり方である。

 

 - Peace Cafe