原爆の危機の増大
ロシアでは絶大なる人気を誇る、独裁的大統領のプーチン氏は、麻生氏の言う所のヒットラーは静かに選ばれたという、実例になるのかもしれない。核戦争をクリミアでは想定して対処していたと表明した。核戦争を身近なものにした。もしイスラム国が核爆弾を手に入れれば、必ず使う事だろう。核爆弾の所有を目指しているのは、独裁者の等しい政策である。リビアのカダフィー、北朝鮮のキム政権、イランのホメイニ、そしてイラクのフセイン。たぶん中国も同じか。科学技術の進歩で、それ程の技術力の無い国でも、核爆弾の開発は可能になっている。そして、それを所持すれば、どれほどひどい事を繰り返そうが、そう簡単に軍事的に押しつぶされる事はない。カダフィーもフセインも今一歩だったために、殺されてしまった可能性もある。この世界情勢不安の強いものほど、北朝鮮も、イランも核開発を止めるわけがない。この核武装の火に油を注いだのが、ロシアのプーチンという事になる。
日本が少々のところ軍事力を強化しても、ほとんど無意味化すると言う事だ。北朝鮮が核爆弾を持った以上、日本も、韓国も、アメリカも、ロシアも、中国もおいそれとは手が出せない。イスラム国を見て見ればわかる、自分たちがどれほど暴虐な国家であるかを見せつけることで、自己存在を誇示し、国力の増強を計る算段である。北朝鮮も幹部をすぐに処刑することで、その悪辣さで脅しをかけている。悪ければ悪いほど、恐怖が高まる政治の現実がある。このイスラム国の低級なレベルに、プーチンも降りて行った訳だ。それだけ、ロシアが危機的な状況と考えなければならないのだろう。イスラム国には効果の無い経済封鎖が、ロシアには深刻な経済封鎖になるのではないか。ロシアの独裁者は選挙でその地位に君臨する。資源大国として、それなりに世界での地位を保っている。所が、ことごとく欧米と対立する。対立を高める結果選挙で選ばれることは想像できる。
ロシアはやはりヨーロッパに比べて、経済の遅れた国なのだ。それは、アジアの中国と似ている。中国には深刻な格差がある。民族対立がある。国内に暴動の怖れを抱えている。その為に、治安部隊が強化されて行く。武力によって国威を発揚せざる得ない事も、格差の深刻さから来ている。ロシアも同じ事である。世界は悪方向に傾いている。日本がアメリカに隷属しなければならない原因も、原爆を持たないからであろう。日本も格差が広がってゆく。自民党憲法が静かな革命によって制定されれば、必ず原爆保有に向かうであろう。靖国が国立神社になる可能性もある。日本が消滅するまで、その消滅する理由を気付かないでいるのかもしれない。日本が核廃絶を主張しても、核保有国は確かに無反応である。広島や長崎を見に来てほしいとの主張すら、核保有国中国は歴史の歪曲だと主張する。
安倍政権は憲法9条の飛躍した解釈で、国際平和支援法案等というまやかしの名前の法案を国会に提案した。対中国の日米共同の軍事的対抗策である。世界の武力的な危機が高まっているから、日本の安全を守るためには、アメリカとの軍事同盟を強化して、日本も同盟軍として戦えるように法律を変えると説明をした。これはどう強弁しても、平和憲法を破っている。もしそれが必要と考えるなら、自民党憲法に改定を行ってから、やるべきことだ。それ程日本人が愚かであるなら仕方が無いとあきらめも付く。武力競争で行く以上、アメリカに隷属を続けるか、日本も核武装するしかない。日本が非武装の存在として、世界から尊敬を集めるためには、独自の平和外交の道を徹底して進む以外にない。それは、実に危うい、現実味のない安全保障政策に見えるが、どの平和への道も、困難で、どの道がより安全かは全く不明である。分かっているのは、このまま武力で対抗する道は人類の破滅への道だと言う事である。