イスラム国日本人殺害予告
イスラム国で日本人2名の殺害予告映像が流された。安倍氏の積極的平和外交に基づく、中東訪問を狙っての事だろう。積極的平和主義の裏には、こうした悲惨な事が起こる可能性を考えておかなければならない。湯川氏がイスラム国に捕まった時から、場合によっては殺害をして、映像を流す事が、戦略として織り込まれていたはずだ。そこに、後藤氏と言う人が、湯川さんに会いに行くと言うのでシリア入りしたというのだから、全くこの2人には状況の把握が出来ていないとしか言いようがない。今このような事を書くのは、殺害されかかっている人に申し訳ないし、何とか救出されて欲しいが、これほど危険な所に自ら出掛けてゆくという、状況の把握の甘さが信じがたい。後藤氏はジャーナリストであり、現地の米軍の空爆の結果を、自分の目で見たいと言う事も言われていたと言うが、この今イスラム国の状況を、頭の中で想像し、理解できないようでは、本物のジャーナリストと言えるのだろうか。
戦場ジャーナリストと言うものに意味が無いとは言わないが、今イスラム国で起きていることなぞ、行ってみなくても想像できる。状況証拠の写真を取らなければ成らないなど、考える必要は全くない。戦争などと言う物はすべからく、暴虐の限りだ。良い戦争も悪い戦争もない。戦争という暴力では何も解決はできないのだ。積極的平和主義と言う、美名の武力主義も全く同じ事だ。暴力によって人を従わせようという発想が、全くの無駄である事は歴史が証明している。勝利した民族が必ずしも幸せになるとは限らない。負けても負けても、良い国を作ろうとする歴史もある。国が行う戦争だから複雑になるが、隣近所のことで考えてみれば、誰にでもわかる。力でねじ伏せるような事では、隣近所との良い関係が構築できない。やはり隣近所とは互いに、抑える所は抑え、お付き合いすると言う事だろう。
安倍氏の反イスラム国連合への参加の意思表明は、間違ってはいない。そう有るべきだと思う。しかし、安倍氏は難民への資金援助とともに、今回ホルムズ海峡に自衛隊の常駐する基地を表明している。日本の生命線と言う事のようだ。当然マラッカ海峡にも同じことをやりたいし、やるだろう。これでは平和主義ではない。海賊退治の名を借りた、自衛隊の基地進出になる。イラク戦争時も自衛隊が引き上げなければ捕虜を殺すという事件があり、日本政府は引き上げないと宣言し、青年が殺された。今回もイスラム国に身代金を払うような事が出来るわけがない。もう最悪の状況を想定するほかない。この機会に安倍氏の積極的平和主義が世界からどう見えるかは自覚しなければならない。安倍氏は、侵略を認めた村山談話を継承するとしながらも、本音ではそうではないという、2枚舌をあえてちらつかせている。この2枚舌が敵対する国にはどう見えるかである。多分、ひきょう者ではなかろうか。
イスラム国からの映像を見ると、どうも合成された映像のようだ。影が逆に付いている。二人の表情も変化や反応が不自然に無い。いつでも出せるように相当前に作られていたものを、最新のニュースに交えて出したものと考えられる。いずれにしても、この際日本の積極的平和主義による外交というものが、どういうものであるのかを、明確に自覚する必要がある。多分安倍氏の頭の中は、積極的軍国主義という名前の方が、相応しい内容なのではないか。そうであるのなら、正直に語り、国民の合意を形成すべきだ。そうでなければ、事あるごとに日本の外交方針が国民には見えなくなる。イスラエルにある、ホロコースト記念館に訪問した真意は何か。日本が行ったホロコーストに匹敵する、侵略行為を認めると言う事ではないか。そう韓国では言われているが、どうなのだろう。