総選挙と株価操作
庭の眺め 中判全紙 今年の秋は庭の紅葉がなかなかのものだった。
各紙とも、自民党300議席に迫る勢いと報道している。そんな馬鹿なという思いである。総選挙が公表されて以来株価があがっている。黒田バツ-カ2の影響もあるが、政府と連動した、株価操作ではないだろうか。例の、年金積み立ての株式運用である。仕組みはよく分からないが、投票日まで株価は不自然に上がり続ける気がする。日経新聞では「際立つ日本の好業績」「2万円視野」信じがたい株価特集である。選挙が終わればどこの政党が勝利しようと一気に下落するのではないだろうか。そう読んでいる投資家が多いいから、株価が今あがっているということになる。しかし、アメリカの格付け会社では、日本の国債の格付けを下げた。これは当然の見方だろう。日本国債の格下げは2011年8月以来、3年4カ月ぶりで、東日本震災以上の悪環境とみられている。財政赤字削減目標の達成可能性や成長戦略の有効性に不確実性が高まったと判断したことが背景とある。ダメな野党に戻るのも怖い。しかし、もっとダメな自民党に任せておくのはさらに怖い。アベノミクス、ダメよダメダメ。が今年の流行語大賞だろう。
安倍政権は最後の頼りの株価対策に、地獄の蓋をあけた。なりふり構わずという事だろう。大義なき総選挙と言われたが、大義は無いにしてもこれほど重要な日本の未来をかけたような選挙もないのではないだろうか。多分、歴史はあのときが転換だったと、振り返る事になる。まだ日本人はしっかりしていたという事になるか。やっぱり、泡銭に踊らされて格差の地獄に踏み込んだという事になるのか。いずれにしても今回の総選挙は、経済政策選挙になってしまった。集団的自衛権が一番気になるのだが。アベノミクスを続ければ、給与は上がると経団連の代表も発言したと、安倍氏は党首討論会で述べた。確かに大企業の正社員の給与はこの先上がると思う。同時に、非正規雇用の比率もさらに増加するだろう。失業率も低下するはずだ。団塊世代の一斉退職も、人口減少も始まっている。大方は、この先経済が良くなる事はないだろうが、野党の無能も明らかである。安倍政権の丸投げ経済政策の方が、まだましなのではないか。こういう感触ではなかろうか。
しかし、消費税の対応を見ていると、丸投げされた先も手に負えなくなっていると思う。だから解散した。私ならと思うのは、食料品を無税化して、10%に消費税に値上げする。結果的に消費税は10%にしたが、全体としては低所得者の消費税負担は5%以下になる。食糧以外買わない人は、無税になる。こうして消費税にも累進課税の考えを取り入れる。公明党の言う軽減税率の主張は生ぬるくて、低所得者への負担増を解消できない。消費税の良い所は、多く消費する人間が多く税を払うという仕組みである。それなら所得税だけで良いという事でもあるのだが、所得税は払わない人がいる。旅行者とか、泥棒とか、ごまかす人もいる。消費税はごまかしにくい税である。税は多様である方が公平性が増す。自給生活では、そもそも消費税負担は少ない。自給生活の奨励という意味でも、消費税は悪くない。共産党はどういう暮らしを目指しているのかをもう一度考え直してほしい。格差解消のためには、消費税も力になる方法がある。
安倍政権はどんどん危険な領域に向かっている。この選挙でアベノミクスの反省をさせなければ、第3の矢を考える事は今後ないだろう。日本は新規産業を開拓しなくてはならない。様々な分野があるのだろうが、エネルギーの輸入比率が大きい国である日本としては、再生可能エネルギー技術への研究開発に、すべてをかけるぐらいの意気込みが必要である。太陽光に問題側面があるのは確かであるが、政策的にブレーキをかける意味はないだろう。原発再稼働をしたい思いが見え見えである。原発が安いというのは、当面の短期的な事だ。廃棄物の処理まで考えないからだ。次の世代は3人に1人くらいしか選挙にも行かないから、政策対象にもならなくなっている。だから、どれほど財政再建が遠のいても、政治家たちは本心は平気なのだ。ともかく若者が選挙に行くことだ。選挙に行って投票率を上げて、政治家に存在を気付かせる事が出発だ。これで自民党が300議席を越えるとしたら、そう思うだけで頭がくらくらする。