原発都知事選
佐渡の夜明け 10号 夜明けを描くときに、まだ夜の空が上空にあり、水平線から太陽が光の色を染める。この隔たりがとても面白い。絵になるものでもない。
東京都知事選挙に、細川氏が立候補した。小泉元首相と組んで、反原発を争点として、都知事選挙を戦おうということのようだ。早速、自民党では「殿、ご乱心」と甘利経済再生相が揶揄した。菅官房長官は14日の会見で「(脱原発は)東京都だけで決める政策課題ではない。」エネルギー政策は東京都知事選挙と関係がないというのだ。関係ないどころか、東京都は東電の大株主であり、最大の消費者である。東京電力の電気の生産方法には、大いに関係している。都民が拒否する発電方法は止めなければならない。事故の影響は東京都民にも及んでいる。東京都の水が飲めなくなったことを忘れたのだろうか。選挙に負けたくないだけで、矛先をそらそうというつもりなのだろうが、この発言の為に、グーンと細川氏は勢いを増した。都民にしてみたら、忘れて居たい気分に、火がついたというところだろう。今回の都知事選挙の一番の争点は原発政策になった。原発がなければ、国際競争に勝てないという安倍政権と、原発など金のかかる無様な廃棄物処理さえ決まらない発電方法だという都民との戦いだと思う。
原発が安い発電方法だというのは、すでに根拠を失っている。原発の再稼働がなければ、オリンピックはできないということを、森元総理大臣が述べている。根拠の全くない意見だ。困難な核廃棄物の処理をしないで済ますということが、安い電力の根拠だ。原子力事故対策のすべての費用も、原発電力価格に想定しなければならない。今起きている福島原発の莫大な損害こそ、電力費用を高騰させるのではないのか。こういう現実をごまかして、相変わらず原子力を安い電力と言い募るのはいい加減にしてほしい。福島原発は完全にコントロールされています。と大見えを切った安倍氏のあの言い方と同じである。そんないい加減な発言で、国民がだまされると思っているのだ。もし、原発が本当に安くて安全な電力だというなら、その根拠がすでに国民に示しているはずだ。根拠を示すことが出来ないまま、原発再稼働をずるずる進めている、一番の理由は強い日本論である。核武装をする必要があると安倍氏は考えている。アメリカの核の傘をいつか取り除きたいと考えているのだ。そのためには原子力発電から、核燃料のリサイクルまでやりたいのだ。
この部分にごまかしがあるから、なんとも歯切れが悪いし、選挙ではエネルギー政策を問いたくないのだ。東京都民の正直な判断が大きなカギを握っている。なにしろあの猪瀬氏を選んでしまった都民である。あのとき、宇都宮氏を選んでいたら、すでに原発は再稼働ははっきりとなくなっている可能性もあった。今回は宇都宮氏は当選する可能性はほとんどない。私は、細川氏も疑問があるし、小泉氏となれば、相当に問題を感じる。しかし、今は原発再稼働に反対の意志を示す必要がある。曖昧な、外添氏も原発政策を明確にすべきだ。もし、都知事選で原発問題を問わないとするなら、原発是非の国民投票をしてもらいたい。民主主義は主権者である国民の意志が最も重要なはずだ。その国民の意志を、原発に対して政府はどう考えているかと言えば、甘利氏や安倍氏が選挙の争点にしたくないという通り、原発反対と推測しているのだ。そうでなければ選挙の争点として避けようとしないはずだ。
核武装をしたいという点を隠したまま、安倍政権は進んでいる。明確に田母神氏を推せばいいのだ。そして、一緒に靖国を参拝したらいい。とても危険な政権である。きちっとしたエネルギー政策を議論すべきだ。安倍政権はトルコに原発を輸出し、核武装の可能性を残してしまった。核廃棄物からプルトニュームを取りだす権利を、トルコに与えたのだ。これは国際ルールに違反している。経済の為であれば卑劣な手段もかまわないという、なりふり構わず国際ルールを破る。このままでは日本は世界から嫌われる国になってゆく。日本が世界から愛される国になることが、美しい日本であろう。安全な国と世界から思われて、オリンピック開催になったのだが、2020年にまだ安全な日本があるのだろうか。