円高は悪いことなのか。

   

過去最高の円高だそうだ。歴史的円高などという言葉も使う。アメリカ経済の深刻な不況による、ドル安と言うことらしい。それにつれてかユーロも下がっている。こちらも状況の悪い国があるらしい。日本経済の方がまだ悪さが少ないという見立て。経済先進国という考え方や、基軸通貨とかいう考え方自体が通用しなくなり始めている。経済のこと書くほど知識もないが、今年の初めには日本国債が、国際的評価の格付けが下がると、大騒ぎしていたことを覚えている。現在の格付けは3番目の「Aa2」らしい。 さらに下がると言われている場面だ。国債の評価が下がって、円が高くなるというのが分からない。アメリカは最高位のトリプルA。それでいてドル安。格付け評価する人の見方と、投資家の見方が違うのか。と言うことはまだ一層の円高に成る。

凋落が始まっているとするなら、日本もアメリカも同様であろう。距離を取る心づもりはしなくてはならないだろう。なにしろ日本はアメリカの一つの州位のベッタリである。リーマン危機以来アメリカは立ち直れないでいる。あのときのオバマ大統領の方針は魅力的だった。日本にもああいう前向きな展望を持ってほしいと。しかし、結果としてはオバマ氏の方針のようにアメリカは改善出来なかった。例えば、グリンニューディールで雇用を創出と言っていたが、失業者問題はさらに深刻化している。アメリカの状態の意味するところは、経済の世界的な構造変化が起きていることではないか。世界が平均化して来ているということで、アメリカ一人勝ちが許されないのは当たり前の気がする。経済の時代は終わろうとしているのではないか。いや、資本主義経済の時代は終わりにしなくてはならないのではないか。

円高のどこが悪いのかが分からない。円が高くなるというのは、全体では良いことのはずである。これで困るのは輸出企業である。輸出企業だって対応はしているはずだ。80円以下ではやっていけないなど、泣きそうな深刻顔でトヨタの人が記者会見していたが。こうなることが想像できないとしたら、担当が無能なのだ。この事態を予測して、円建て決済にするとか、現地生産にするとか。対応すればいい。報道各社は、特にテレビはこぞって円高を困った悪いことであることは、合意しているかのごとくである。テレビ局がCMが減って困るとか、輸出企業が困るというのはわからないではないが、国民の大半は喜ぶ側に居るはずである。この国が企業あってと考えてしまうのは、視野が狭いからにすぎない。企業にとっては、円高は海外に出て行くチャンスだろう。資産家には海外に投資をするチャンスだろう。

円高の報道は原発神話と同じような意図が感じられる。スポンサーへの慮り報道。困ることの方を強く言いがちではある。企業の思惑というものが、日本全体を支配している。この円高水準では5000億円の損害とか。それなら、前の円の水準なら5000億円得をしていたかもしれない。GNPと同じで、暮らしの実感とは本当は違う。ところが毎日、円高は悪と言う大前提の報道である。刷り込まれている。円高になれば電気の価格も下がる。ガソリンも下がる。大震災の復興には、有難いことのはずだ。輸出企業の利害は日本国内からすでに離れているはずである。もし、企業の利害を優先してTPPに加盟した場合。円高によって農業も、揺り動かされることに成る。そして食糧と言う日本の根底が崩れることになるだろう。農業が通貨の交換レートで潰されたらたまらない。

昨日の自給作業:大豆畑の改善2時間 累計時間:3時間

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