苗代づくり
舟原田んぼの稲は、セルトレー288穴220枚に播種され、苗代に置かれて10日目である。5万本の苗の計画。発芽は一通り終わり、1センチほど芽が伸びている。今までの所を整理しておくと、「3月27日がもみ洗い。」「4月3日が土振るい。」「9日が苗代作り。」「17日が種まき。」である。苗置き場はベットが5列あって、18メートルづつである。舟原の分が2列。今年の特徴は苗代が無肥料であること。生育はどうなるであろうか。ほとんど土壌の力だけでの育苗である。いつもは、苗代を作るしばらく前に、堆肥を入れておく。今年はそれを止めた。12月だったか寒い頃に200キロぐらいの堆肥を蒔いただけである。それは緑肥を育てるという考えである。マメ科の緑肥作物を十分に育てて、土に還してゆく。これを土づくりの基本としている。しかし土があまりに悪いと、緑肥すら良く育たない。そこで緑肥が育つようになるまでは、養鶏場の堆肥を繰り返しいれて行く。腐植を増やすということが重要。
ベットは代かきをしてセルトレーを置くのが普通であろう。代かきをしてしまうと慣れないものには田んぼに入っての作業が出来ない。そこでベット部分を耕すだけでセルトレーを並べる。もちろん土にもよるが、通路が硬くないと大勢の素人がやるには無理。しかし、代かきをしていないのだから、セルトレーとベットの密着が悪い。ある程度の空洞を計算に入れて、発芽率を85%ぐらいに見て置く。水管理は朝1回田んぼに水を入れて行き渡ったら止める。この場合、低いところが、どうしても水に浸かって発芽しなくなる。そこで、全体から見ると水は控えめの管理に成らざる得ない。今年は、3週にわたって種蒔きがあったのだが、この間、寒さも特にはなく、まあまあの天候である。桜がずいぶん遅れていたのだが、その後だいぶ追いついて、お茶摘みは例年通りに成りそうだ。
苗はセルトレーの底穴を根が突きぬいて、田んぼの土で生育させるという方法である。5葉期の大苗を目標にするとどうしてもこうなる。田植えの予定が、6月5日だから、7週間の育苗である。苗半作は言葉通りで良い苗を作らなければ良い田んぼは、期待できない。逆に言えば、苗さえよければ後は何とかなるということでもある。苗は肥料で育てたくはない。良い土壌があり、根が十分に展開する。温度も高くはなく、自然の状態で生育する。寒暖の差もあった方がいいが。5度以下に成るような寒さは避けたい。がっしり太めの苗がいい。徒長したような柔らかな苗は感心しない。水は初期は特にすくなめに与え、濡れていればいいぐらいにする。だんだんに田んぼの土自体が、水分の保持を吸うようになるので、水分は後半に成るに従って増やす。考え方としては、氾濫原に水が増えて来るイメージ。
ベットが水平を保たれていることが重要であるが。それ以上に密着させることが大切。置いたならば、板をあてがい、上から体重を掛けて押し込む。セルトレーを置いたらば、ラブシートを掛ける。パオパオの場合は、芽が布に食い込む場合があるので、浮かせて置かなければならない。昨年のように凍りつくような日がある場合は、穴あきのビニールトンネルを掛けておいた方がいい。温度を高くすると、生育は良くなるが、徒長のきらいもあるので注意。話は戻るが、もみ洗いから、3週間浸種するのは、一斉に発芽させるためである。14度以下の水ならば、3週間たっても鳩胸状態にならない。もし途中で膨らんできたら、そこで水から上げて、冷蔵庫に入れて保存しておく。直播を苗代の一部で実験をしている。草との関係がどうなるか。
昨日の自給作業:麹と塩麹。えひめA1作り、にら苗づくり、2時間 累計時間:25時間