セルトレー播種
現在順番に、各グループがセルトレーに種蒔きを続けている。一枚のセルトレーに5分かかると、10時間かけて120枚。280枚必要なら、延べ20時間となる。4時間で5人の作業になる。8時に始めて、13時に終わらないといけないので、これが必要最小限の時間になるだろう。作業の流れを考えると、10人いないと出来ない作業になる。となると、出来れば土はそれまでに振るって置いた方がいい。前日に出来ればセルトレの土入れまで済ませておくほうが賢明であろう。土は普通の山土である。一年積んであったものなので、固まっているし乾いてもいない。晴れた日にほぐして乾かすことが最初の作業であろう。所が週間予報では相変わらず、雨がちで干す事は出来ない。この調子なら土をハウスの中に移動するのが最初の仕事に成りそうである。時間のある時に乾かした土をふるっておく。
振るった土はそのままセルトレーに入れればいいのだから、先に土入れまで行ってしまい、積んでおく方が楽でろう。種を蒔く作業だけを17日に行えるようにして置く。10人で種蒔きだけ行えば、2時間の作業だから、丁寧な仕事ができる。この日の作業は慌ててこなせばいいという訳ではなく、より慎重にいい仕事にしなければならない。午前中の種蒔きで疲れてしまうと、どうしても苗代へのセルトレーの設置が雑になる。この設置がとても大切な作業になる。平にしっかりと密着させて、ラブシートを飛ばされないように丁寧に張ること。ここまでを充分に行わないと、後で大きな失敗になる。ラブシートは浮かせて張らないでもいい。昨年の経験では、剥がす時期さえ間違えなければ、べたがけの方が、楽だし確かだ。もし浮かせるとすれば、板を間に入れて僅かに浮けばいい。板を立てながら、中央にも水道をつけたい。
ラブシートを剥がす時期の見定めが重要になる。すずめさえ食べない時期になれば、剥がしてしまって問題がない。寒さの事も考えながら、ラブシートを剥がしてしまう。一方で、直播の研究を行う。セルトレーは悪くないのだが、面積が広がると不可能になる。セルトレー方式と、直播方式の組み合わせが出来れば、さらに楽になる。直播で、全てが上手くいくとも思えない。特に雑草が解決できない。そこで、直播の田んぼと、セルトレー田植えの田んぼを、組み合わせたらどうだろう。セルトレーの数を減らせる。ある程度の草取りなら、人海戦術で可能である。ソバカス抑草の新しい展開もある。今年はともかく、直播の実験である。毎年実験の繰り返しで、田んぼの仲間には申し訳ないがこう言う事はこれで生計を立ててる農家には、やりにくいことなので、農の会の役割でもあると思っている。
田んぼの作業は自給のためには、100時間以内にしたい。一年の自給作業が365時間に納まるとして、田んぼはその内の100時間。5時間づつなら、20回の作業。その為には、最も合理的で楽な作業に進める必要がある。セルトレー方式は、以前の苗代苗作りの、苗取り作業の負担に較べたら、楽になったと思う。しかし、150枚までがいいところである。それなら楽しく出来る範囲。直播技術の農の会的開発が、どうしても必要である。完全でなくていい。代かきや線引きがいらない。こう言う範囲で田植えが出来れば、組み合わせとしての良さがある。草も一枚だけでるなら、始末がつく。転がしの範囲で、水漏れが防げるか。棚田での不耕起が可能なのかどうか。土の状態がどこまで出来ているか。課題はまだまだ山のようだ。何とか、ここを乗り越えたい。