田んぼの勉強会
田んぼの会では毎年、田んぼをめぐりながらの勉強会を続けてきた。今年は「田んぼの見方感じ方」というテーマで、柿野氏に丁寧な解説をしてもらうことが出来た。30人ぐらい集まった。あちこちの関係者が来ているので、初めて会う人も結構居た。4箇所の田んぼを30分ずつ見させてもらった。他所の田んぼに行くときは、裸足で出来るだけ中に入れてもらう。田んぼの感触は全く違う。田んぼ中央まで進むと、様子が違う事がままある。ずうずうしく入れてもらう。全く暑い日だったから、田んぼの中の方がいくらか涼しかった。
永塚田んぼのドジョウがすごかった。田んぼの中で膨大な数のドジョウがあしをツンツン突く。これはすごい収穫だ。今度流れ出る前に是非、ドジョウの仕掛けをやって見たい。ドウと言うカゴがあるから、それでドジョウ取りをしたい。以前、ドジョウの養殖にはまったことがあって、熊本まで見せてもらいに行った事があった。田んぼで飼って見たが、収穫がうまく行かなかった。永塚田んぼは不耕起だし、田んぼの最初に100㎡ほどのビオトープがある。これでかろうじて水が残るので、ドジョウが増えたのだろうか。永塚のみんなに開かれた、田んぼを味わう精神はなかなか深みが加わってきた。隣で1反部分を松本さんがやっているので、この組み合わせが、絶妙な気がする。
新永塚田んぼは、田んぼの優等生。20本ぐらいに分結した株が、整然と並んでいる。それが又がっしりバリバリの株で、太さが見事である。理想の姿だろう。田植え後、案外に良くなかった。苗は良かったと思うのだが、初期成育がどうも悪かった。所が、干し以降見違えるように生育を始めて、一気に良くなった。草はみんながかわるがわる田んぼに入って抜いてしまう。実に感じのいい田んぼだ。色が濃いぐらいで、他には周辺の田んぼと、様子は変わるところはない。近所にもかかわらず、田んぼの中にドジョウが居ると言う事は無かった。ツトムシも今年は来そうにない。この理由も不明。すごい収量になりそうだ。
坊所田んぼここは谷戸田で、私たちグループが10年やって、去年はコッコ牧場がやり、今年はトレス・小川夫妻がやっている。長年やっているので、この田んぼのクセは良くわかっている。今年はコナギで苦労しているようだ。ここは米ぬかで、完璧に抑草した年もあった。それでも今年は出来がいい。全体としては、株の様子がいい。2人の熱意が、田んぼに反映している。しかし、コナギが残った所は、生育が悪い。コナギを抜く以外方法はない。頑張れるかな。
そして、舟原、舟原の乱れている事。草の生えなかったことだけは、いいのだが。全体がバラバラな感じだ。これは棚田で、月型に変形の田んぼで、24センチ角植え。どうしてもきれいに植えられない。その上に、自家採種してきたアキニシキが、完全にバラケタ。先祖がえりしたというか。昨年は安定した所を、採種したのに、戻らなかった。いよいよサトジマンに変えるしかないか。3枚を見ると上から下へと生育の状態が良くなる。水温に由来する。ここは温度を上げる事が、最重要課題、いまからでも遅くないので、と言うか、毎年これからが一番大事なので、水温を上げる工夫をしよう。テーマの抑草は成功。
柿野さんから教えていただいたことは多かった。「成苗植えは葉色が濃くなる。」「生き物を田んぼを見る、材料、指標にする。」「とろとろ層の出来方は多様だ。」「何を目標にするかを明確にする。」「干しに変えての出穂45日前の浅水」「オタマジャクシが死んでしまう理由はわからない。」カエルの研究者が、田んぼでオタマジャクシが死んでしまう理由を、考えあぐねるところが、田んぼの奥深さを感じた。浅く結論を出さない。一番学んだ事だった。
昨日の自給作業:田んぼの畦草刈り1時間 累計時間:3時間