食農教育:農文協
農文協から出している、「食農教育」という雑誌がある。以前、手作り孵卵器の作り方、を掲載してもらった。昔から、これには興味があって、色々やってきたので、このときは決定版にしようと、工夫をした。小学生でも出来る、お金がかからないで、工作が簡単で、といういい孵卵器が出来た。それを読んで、やってみて上手くひよこになったという、嬉しい便りもあった。
その11月号に、卵のことで再度掲載した。今度は、もう少し卵の成り立ちなど、孵化を授業化するときの、アイデアなどが載った。これは教育関係者が多く読む雑誌なので、学校で孵化してもらおうという意図がある。鳥インフルエンザの問題が起きて以来、全国の学校で鳥の飼育がなくなった。鶏の普及は、学校の飼育係からと考えていた私としては、極めて残念な現状だ。
鶏はただでさえ、生活の中で飼えなくなっている。鶏が飼えないような暮らしは、暮らしを取り巻く環境がおかしいと、思っている。飼えない状況が広がっていることだけは変わらない。鳴き声がうるさいといわれるので、どうしたらいいか。こういう相談が時々ある。小屋に雨戸を付けて、閉めてしまったらどうか。寝箱に入れて、部屋で寝かせるようにしたらどうか。など答える。声の響かない、声良鶏ならどうかという事もある。
鶏好きはみんな困っている。
「食農教育」の11月号は、味噌汁特集だ。味噌汁を総合的に特集している。これが実に面白い。味噌汁なら、大豆作りだ。これもきちっと出ている。食の基本が、農にあることが、おさえられている。この雑誌のテーマは、「地域と子供の個性を伸ばす」とある。この「と」がいい。地域の個性が伸び、子供の個性が伸びる。この雑誌が、又学校で、鶏が飼われることを望むのは当然のことだろう。このことは大切なことなので、できることがあれば協力させてもらいたいと思っている。
50号の記念特集号にはくだかけの「和田重良」が記事を書いている。くだかけは鶏の古語だ。山北の頃は、お隣さんだったので古い付き合いがある。農業のこと、生活のことを書かれている。最近はくだかけでは養鶏を始めている。以前鶏を飼いたいというので、笹鶏を差し上げたことがあった。その後、何か獣に襲われてしまい、全滅した。何しろ山の中で、獣の方がずーうと多い所だ。今度もそうならないことを祈っている。こうした暮らしに目を向けて、編集している雑誌が、きちっと51号になったことはすごい事だと思う。
あしがら農の会の活動も、地域では孤立した小さな動きだけれど。全国で同じような動きが、あるに違いないと思っている。食農教育の中には沢山の志を同じくする人がいる。まさか、学校の教師にそんな人が居るとは思えない。等とつい思うが、この困難な学校という世界で、本気で活動してくれている人が居る事に、感激する。