小田原市市民活動応援補助金
昨日、小田原市市民活動応援補助金のプレゼンテーションがあった。昨年、一昨年と頂いたので、今年が頂く事が出来れば、3年目という事で、最後の補助金になる。
あしがら農の会にとって、始めていただいた補助金だった。私達の会がお金が足りないで苦労しているのは、立ち上がりから、延々と続いてきた。やはり、機械の購入と、維持管理に費用が要る。これは深刻な事だった。殆どの農機が、廃業して倉庫に眠っていた物を、いただくという事で来た。しかし、農地が広がり、どうしても機械をそろえることの必要性はたかまっている。
しかし、自問すれば、自分達の自給の食糧を生産するのに、小田原市から補助をいただくという事に、疑問はあった。初めて申請する時には、相当に悩んだ。結論から言えば、補助金をもらうという事で、あしがら農の会の、社会的責任というところへ、会員の自覚が進む事になることが、重要だと考え申請した。
その時私自身考えた事は、あしがら農の会が行っている、事業の何が、市の税を使う意義があるか。様々な側面はあるにしても、第一は、耕作放棄地を耕作して、農地として保全するという事だ。
放棄されるということは、事業としては成立しない土地、という事だ。これを営農として、やる人がいるかといえば、予測どおり、農業分野への企業進出など無かった。この事業として成立しない農地が、荒地になってゆくことは、場所によっては、災害の発生等、地域の生活に深刻な影を落とし始めている。
これを行政が、税を使って整備しようとしても、莫大な費用がかかり、不可能な事ははっきりしている。業としては無理、行政も無理、そこで市民的な農地利用が開けないか。ここに期待するほか方法が無いのが、全国共通の課題では無いだろうか。
業としては無理でも、市民が自給の食糧生産をするということなら、合理的に回る形があるはず。ロシア方式だ。これを模索してきたのが、あしがら農の会だと思う。業として、市民農園を運営する形がある。ところが、このやり方だと、私達の方法の10倍ぐらいの費用が無いと成立しない。10坪単位で、年間1万円とか。こんな費用では、本格的な市民参加に道は開けないのが、現状だ。
市民が農家に変わるぐらいに、面積を生産に当てるためには、農家と同様の対価で参加する必要がある。標準小作料で市民も参加できる形が必要だと思う。
こうした事を実現するために活動してきたのが、あしがら農の会の一面だと思う。少しづつ道は開かれ、全体では20ヘクタールに近い農地が、耕作されているのではないだろうか。今後も、様々な形ではあろうが、市民の農地利用は増加してゆくだろう。この新しい形を、作り出してきたのが、あしがら農の会の功績だと自負している。
以上のような活動に公共性があるかということだと思う。これは意見が分かれるところだろう。私は行政がやる事ができない、しかし、市としてやらなければならないことを、10倍以上の費用対効果でやるのだから、農の会に税を補助する事は合理性があると、アピールした。
どんな判断をするかは、審査委員の判断を待つしかない。しかし、私たち自身が、やぅて来た事を考えて見るという意味では、いい機会であった。