自然養豚
近くに自然養豚をやる若い二人がいる。
餌作りと、餌やりを教わりに行った。これが鶏とほとんど同じようで、少し違っていて、面白い体験だった。餌は、半嫌気発酵で作る。種菌を別に作りためておいて、それを加える事で、発酵を安定させているようだ。大きな攪拌機で仕込んで、ドラム缶に詰め込む。その他におからのサイレージ。
パン:110キロ(細かくする)、そば粉:80キロ、米糠:5キロ、水20リットル。海草:1キロ水で戻して、そば殻:10キロ。コンスターチ:5キロ?
それを母豚の餌の場合で、ドラム缶につめた発酵餌を1キロ、とオカラのサイレージを1キロ朝夕2回与える。肥育中の豚にはオカラはあまり与えない。1頭が毎日2キロ食べて、25頭で、50キロ毎日食べる。私の所の鶏のえさが、やはり50キロは使うから、餌は鶏の10倍と言う事か。
水はノズルから自由に飲む。他に草をかなり与える。
ここの自然養豚の特徴は、臭いのしないことに尽きる。床が、1、2メートルほどチップが積み込まれている。そのベットの上で豚たちは暮らしている。一箇所で排泄をするので、それをかき回してやらないといけないらしいが、ともかく臭いがしない。豚たちもおとなしく頭をなぜてやると犬のように目を細めて喜んでいる。ぶうぶうう甘えるので、食べにくくなる。
今のところ、週一回の出荷で宅配を行っている。経営はそれでやって行けると言う事だそうです。まだ20代の2人がこのような養豚場を立ち上げるところから、自力で行った事は、全くすごい事で、次の世代の生き方の方向を示してくれているような気がする。
こうした養豚でも養鶏でも、あるいは有機農業全般に、業として成り立つ人は技術を獲得できる人だと思う。観察力と言うか、わずかな違いを見つけられない人は、技術の獲得が出来ず挫折してゆく。志して、技術を身につける資質がある人はどうだろう、30%ぐらいのものだろうか。こうした技術は、ある意味再現性が無いわけで、むしろワザと呼んだほうがいいのかもしれない。私もワザを技術に高めるため、誰にでも出来る様にしようとしてきた訳だが、やるほどにその難しさに痛感するところだ。