統一教会にビデオメッセージを送った人を国葬にしてはならない。

安倍氏は暗殺された。その流れで、岸田内閣は国葬にしようとしている。目的は憲法改正までの演出だと考えなければならない。安倍氏の念願だったということで。憲法改定がいよいよ出てくるのだろう。自民党の党是なのだから、3分の2を確保したのだから、かならず国民投票は行われるだろう。
このままでは憲法裁判所について何も検討しないまま、憲法改定になりそうだ。情けないことだが、3分の2の日本人が軍事国家になりたいというのであれば、折角の平和国家に生まれた者として、自らのふがいなさを嘆くほかない。
それはロシアのウクライナ侵略とも繋がっている。日本が近隣諸国に侵略可能な軍備を強化する。というような発想が日本の安全保障上、意味があるのかどうか考えてみなければならない。日本の中途半端にしか出来ない軍事強化は、安全保障上、さらに厳しくなるとみている。
当然中国は日本を仮想敵国として、こんごさらに軍事強化をしてくるだろう。中国と軍拡競争に入ることになる。これは下り坂国家日本としてはとうていかなうわけが無い。たぶん徴兵まで進むようなことにならざる得ない方向になるだろう。
にほんが戦前の日本に又戻ることになる。敗戦して78年が経過して戦争体験者がいなくなる。又戦争が出来る国に成ろうという物なのかも知れない。日本には戦争責任があり、その責任として軍備を放棄すると世界に約束したのだ。そのことはほとんど忘れられてしまった。
少なくとも平和国家日本、非軍備国日本を世界に宣言することで、日本は世界にある程度許され、戦後の復興を遂げたのだ。平和国家日本宣言によって、軍備費の負担がない経済運営が出来て、世界もそういう日本を受け入れてくれたので、高度成長に入ることが出来た。
しかし世界情勢は確かに変化してきた。まさかロシアが侵略戦争を始めるとは、だれもが想像できなかったことだ。世界は進歩するのではなく、繰返しのようだ。これはプーチンという人間の狂気と言うことでもあるが、資本主義経済の競争が行き着くところまで来たと考えてもいいのだろう。
ロシアは資源輸出国である。しかしこうした国は未来に大きな不安を持った国でもある。資源は必ず枯渇する。枯渇するまでに国の形を変えなければならないが、資源依存でいるからそれが出来ない。それが国の展望に不安をもたらすことになる。
その不安が軍事強化に繋がって、ついにはウクライナ侵攻にまで成ったのだ。それはまったく日本も同じで、国の力が衰え始め行き場のない不安が、生まれ始めている。弱り目に祟り目が中国の大国化である。日本に競べ格段に大きな軍事力を持つようになった。その格差は広がるばかりである。
この状況で日本はアメリカ依存を高めようとしている。そのアメリカもトランプ主義のような、一国主義が登場している。当然アメリカのための軍事力であり、日本に対してはその枠内での協力である。あくまで日本がアメリカの前線基地の役割を果たすことで防波堤になるので利用しようという考えだ。
アメリカも日本か韓国台湾と関係を強めることで、中国と対抗しようとしているのだろう。あくまでアジアのアメリカとの同盟国はアメリカの防波堤の役割である。国土を犠牲にしてアメリカを守るという姿勢によって、アメリカの軍事力を抑止力として利用させてもらっている。
しかし、この選択は実は国土を戦場として提供することで、アメリカを守るという嫌な関係である。ウクライナが戦場になることでナトウ諸国は安全を確保している。現代の戦争は大国の代理戦争になる。台湾が代理戦争の場として想定される。それに日本が巻き込まれる想定。
台湾が戦場になれば、ある意味沖縄が戦場化するリスクは高まっても居る。沖縄の米軍基地および、自衛隊基地は最前線の基地になる。与那国島からは台湾は見えるほど近い距離だ。石垣島も那覇よりも台北の方が近いのだ。戦争が始まれば当然自らの問題になる。
日本の安全保障の現実的な課題は、台湾有事に伴うと考えても良い状況だろう。この世界の緊張関係は何から起きているのかを考え、そのことに対応する必要がある。軍事力がまったく必要ない訳ではないだろうが、その前に日本の置かれた状況判断が必要だ。
今起きている対立は国家資本主義国である中国やソビエト。そうした国に加えて、それに類似する国も世界には多数存在する。それに対抗するのが自由主義的資本主義国家だ。企業活動と国家とは一体化していない。企業は国を超えて成立している。
自由競争であることが、競争に勝つという考え方に基づいている。それが民主主義の理念でもあったのだ。人間は自由であることで力を発揮すると言うことだ。学校教育すら適合しなかったエジソンのような人が新しい発明をする。
ところが、中国は国家資本主義では、国家に力を集中させ、世界での競争に勝ち始めた。中国はロシアの侵略戦争すら、国力の増強に利用している。ロシアに干渉しないという姿勢で、軍事協力もしないが、経済的恩恵だけは充分に受けている。まさに漁夫の利である。
どうも民主主義を否定する、個人の自由も制限する国家資本主義こそ競争に勝つのではないかという、不安が世界に生じているのだろう。中国は習近平が独裁だから、国家資本主義になったと言うより、経済競争に勝つためには今の形が有利だという意思統一が、国民全体に出来ている。
遅れた中国が短期間に世界一の経済大国になりそうなのだ。それを成し遂げようとしているのが習近平である。自分の明日の生活が確実に良くなってきた。それを中国人が自ら支持している。強制されていやいややっているわけではない。
EUもそうした経済共同体を作り、競争に勝とうと考えたのだろうが、やはり国家間の利害や、個人の権利を乗り越えることが出来ないまま、英国の離脱になった。民主主義では、統一は難しいものだ。その点、中国は自由主義経済圏全体と同じくらいの規模で、意思統一して動いている。これは奇跡のようなものだ。
こうした経済の動向が台湾問題に集約されてきている。ウクライナ以上に、戦場にしたら、世界は終わるというほど深刻な問題になってくるだろう。末期的な資本主義の問題が背景にあると考えなければならない。あくまでどこで妥協が見いだせるかの、平和的解決以外にないのだ。
日本の軍国化はそうした世界情勢の中でどれほど意味があるのかを考えなければならない。下手に軍事化することで、アメリカの防波堤にされる可能性が高いのも事実だろう。日本の正念場が近づいている。安倍氏の国葬などもってのほかだ。