トランプと仲良くするしか選択肢がない。

   

安倍総理大臣は国会で、「トランプアメリカと仲良くする以外、日本には選択肢はない。」と言い切った。アメリカに隷属してゆきますと自慢げな表情だった。まさか日本という国がそんなはずがない。アメリカ優先主義を批判するのが当たり前のことだ。これが演技であればまだいいのだが、本音だとしたら総理大臣として失格だ。国民としては、もしトランプ以外選択肢がなければ、もう日本はダメだという事になる。私はトランプアメリカは中国と経済連携を強めるとみている。その時、中国敵視論のアベ政権は、トランプアメリカに従うのだろうか。中国敵視を止めるのだろうか。結局アベ人気は敵を作るという事で支えられている。日本人に中国人を軽んじる偏見を広めているのが、アベ政権とその背後に存在する、森友学園とその仲間達である。繰り返し麻生財務大臣は中国経済の破綻を語っている。そうあってほしいという願望を日本に広めている。

江戸時代の日本は中国と上手に付き合う事が出来た。日本が自立し、その上で中国を評価していたからだ。明治日本は江戸時代を、百姓一揆の続いた飢餓の時代という誤解を広げた。そして富国強兵、脱亜入欧で、中国やアジアをおくれた国々と位置づけ、優秀な日本民族が救済するのだという、大東亜共栄圏思想をでっちあげた。この明治政府の後遺症が、今の日本には特にアベ政権には根強く残っている。日本がアジアのリーダーという意識がある。これが日本が中国や韓国と上手く行かない理由である。アベ政権はこの日本人の中に残っている、上位意識を上手く操作する。こういう、下卑た性根は論理を超えてしつこく蔓延する。中国が日本の領土である尖閣を奪いに来る。中国がアジアの海洋を支配する。こんな根拠のない大本営発表報道で日本人は、いとも簡単にアベ政権支持になってゆくのである。トランプのメキシコ国境に壁を作るキャンペーンと同じである。トランプアメリカが、アジアの海から中国を追い払ってくれる妄想を描いている。

アベ政権はビックデーター政権である。ビックデーターに従い、方向を定める。領土問題が一番支持を得やすいと考えている。北方領土も、尖閣も、竹島も、日本の固有領土であるなどとこだわる必要はないと考えている。隣国と仲良くできれば、領土など小さなことだ。韓国が竹島の防衛にどれほどの費用を出費しているだろうか。全く無駄金である。韓国は竹島の領有権をあの従軍慰安婦像と同様の利用をしているのだ。日本の尖閣も同じだ。ここを突けば国民の人気が出る。苦しくなると、竹島に韓国政府関係者が上陸する。アベ政権もその裏返しとして、同じだ。中国が尖閣を取りに来ると叫んでいれば、国民の支持率が上がる。北方領土が返還されれば、憲法の改定までできると考えている。ヒットラーの登場から学んでいる訳だ。

トランプ人気はアメリカ人の本音だからだ。アメリカが良ければ、他所の国のことなどどうでもいいと言う狭い考えだ。政治で大切なことは、自国中心主義をどれだけ抑止できるかである。アメリカがここまで成長してきたのは、自由な起業家精神が生きていたからである。世界から優秀な人材が集まったのだ。ノーベル賞を受賞する優秀な人材も、アメリカで自由な研究ができた。アメリカはそうして移民で出来上がった国だ。それが可能だったのは壁がなかったからだ。豊かな国土と資源を生かせたのは、自由の精神に違いない。ところが新自由主義経済は限界を見せ始めた。自由にやれば、アメリカが損をするとアメリカ人が感じ始めた。今すぐの損に目が行く。原因は格差の広がりであるにもかかわらず、その貧困層がアメリカファーストに引きずられている。アベ政権も同じ穴の狢だ。日本に広がり始めている格差に対して、貧困層の批判を削ぐ目的が、中国敵視戦略である。そしてトランプアメリカ以外選択肢がないという事になった。

 

 

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