ヨーグルトにならない牛乳

   

毎日少しヨーグルトを食べる。それでカスピ海ヨーグルトを作る。もうずいぶん長い事になる。失敗したこともない。豆乳でやったこともある。アーモンド乳でもやってみた事もある。必ず、ヨーグルトになる。私は牛乳が腐れば基本ヨーグルトだと思っている。結局のところどこでも売っている明治おいしい牛乳で作っている。以前は田野畑の放牧牛乳を取っていたころもあった。卵の配達と一緒に10軒ほどに届けていた。しかし、面倒になって続かなくなった。先日味噌づくりの時に、生活クラブの牛乳はヨーグルトにならないという話を聞いた。ならないと書いてあるというのだ。びっくりしてしまった。ヨーグルトにならない牛乳というものがあるのだろうかという不思議である。その人は低温殺菌だからヨーグルトにはならないのだと力説していたが。そのこともまたビクリポンだ。書いてあれば正しいと思うこともよくないし。まあ書いてあるとは思えないのだが。

いずれにしてもヨーグルトにならない牛乳というものがこの世にあるとすればどんな牛乳なのだろうか。都市伝説の様なものなのか。調べてみたくなる話であった。可能性としてはその時説明したことが、2つある。生活クラブの牛乳があまりに水っぽいという可能性。乳脂肪分がすくなすぎて固まらないという可能性。成分未調整であれば、時に固まらないほど乳脂肪分が少ないこともあるのかも。まさかと思うがそれではおいしくないだろうとおもうが。脂肪が少ないほどすばらしいと思う人もいないとは限らない。もう一つの可能性は生活クラブでは、発酵を家庭で行うリスクを表記しているのかもしれないという事。発酵を失敗しておなかを壊しても知りませんという表示の代わりに、ヨーグルトにしてはいけませんと書いてあるのかもしれないということ。まさか。

何故このびっくりポンの情報が気になったかと言えば、発酵を身に着けることが、自給の暮らしには重要だと思うからだ。発酵食品を熟知していないと自給生活は出来ないとまで考えている。私は毎日必ず漬物を食べる。最近は醤油麹に米麹を混ぜたものに、野菜をつける漬物である。これを腸に届けようと考えている。腸が身体で一番大事な臓器だからだ。脳よりその人間を形作っている機関と書いてあるものもある。腸にいる何兆個の微生物が人間の身体を調整している。ここにいる菌の数だけで、人間の細胞数以上と言われている。数えた人はいないと思うが。食べ物は腸に到達して、無数の菌の役割によって、良くも悪くも作用する。無限ともいえる菌である。特定の菌ではない。悪いやつも、良いやつもいて、綜合的に作用している。生き物は食べる物から、新たな菌の材料を送り込んでいる。その送り込む菌がないとすれば、たぶん腸の中の菌の総合性が崩れる。そこで、発酵食品を出来るだけ多様に食べるようにしている。納豆から漬物、ヨーグルトと何でも食べる。もちろん生野菜だって食べれば何万個の菌がいるのだから、洗いすぎたら効果半減。だから無農薬にしたい。良いものも、悪いものも選ばない。

牛乳を開封せずに腐敗させるとヨーグルトになっている可能性が高い。他の菌より乳酸菌は丈夫だからである。牛乳にヨーグルトを加え一日置いておけば、必ずヨーグルトになる。加えるヨーグルトは不自然な加工ヨーグルトではない方が良い。これは室温でも可能だ。やってみればわかることだ。特別な道具はいらない。43度にしてと言うような厳密さはいらない。夏なら、そのまま置いておけば問題がない。冬なら暖房器具の前にでも置いておけば自然にヨーグルトになる。段ボールコンポストに入れている人もいる。その固まり具合の食感にこだわりがある人なら別だが、少々ぷりぷり感が足りなくとも、菌としては十分である。豆乳で作るヨーグルトは腐った豆腐のような感じだ。まず毎日食べたくはならない。美味しいヨーグルトは高脂肪の牛乳から作るものだ。人間の味覚というのは困ったところがある。ただ、ヨーグルト菌によっても硬さは違うようだから、時には菌を活性化する必要はあるのだろう。活性化の方法はまたの機会に。

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