燻炭を作る。
燻炭を焼き始めたところ。
高さ1メートル程度の山。朝6時30分
途中2度ほど早く燃えた部分に足しながら、焼きあがったところ。午後4時。
裏側から見るとまだよく燃えていない所がある。風向きのためだと思う。
広げて消し始めたところ。広げるタイミングで、一気に残っているもみ殻も炭化する。
どんどん広げて、厚さが10センチ以下になるようにする。水をかけ続ける。焼き方より、消し方が難しい。翌朝燻炭を袋詰めにする。
今年は燻炭をどんどん作った。たいていのことは始めると面白くなって、止まらなくなる。もっと合理的に、もっと良い燻炭を作るにはどうしたらいいかと、改善をしているうちに、ついつい回を重ねる。結局燃やし方には難しいところはない。火の消し方が難しいしし、重要である。昨年までは籾保存缶、保米缶でやっていたが、缶の底がついに腐ってしまった。そこで急きょ野積方式に戻してやった。全部で、80リットルの袋に45作った。相当の量であるが、田んぼに入れれば大したことはない。1回に10袋前後出来たので、5回やったということになるようだ。
まず米袋の古いものに火をつける。そこに木っ端を5,6本入れて入れてたき火をする。このたき火をやってみれば、自給技術のレベルがわかる。焚火を十図になるには観察眼がなければならない。火が十分に燃えたところで、円錐型の燻炭製造煙突をかぶせる。ホームセンターで2,3千円で買ったと思う。長持ちしないので、ステンレス製の方が良い。煙突をかぶせたら、もみ殻をどんどんかぶせてゆく。煙突が埋まるくらいまでかぶせてもいいが、早朝仕込んで、夕方には火を消すことになるので、適量積まなければならない。天候ともみ殻の乾き方、そして風の強さで変わる。朝6時に仕込んで夕方4時に消火。10時間ぐらいで終わるためには雨の日ならどのくらいの山にするか。燻炭が湿気ていたらどの程度へらせばいいかを計算する。全く安心な場所でやるなら、夕方6時に仕込んで朝消火でも大丈夫である。いずれ燃やすのは簡単なことだが、問題は消す方である。上手く消さないとすべてが灰塵と化す。
消すタイミングは写真のように表面に生の燻炭が少し残っている状態。この状態でシャベルでかき回してゆく。中の方が高温になっているので、外側と混ぜると一気に炭化してゆく。そこで広げてゆく。30センチほどの高さにして、中央の煙突を抜き出す。しばらく生のもみ殻が残らないように待つ。水をかける。水を変えては広げる。繰り返して、広げてゆき、10センチ以下の厚みにする。表面は濡れたようでも中は燃えていることがあるので、かき回しながら広げてゆく。大体4,50分広げるのにはかかる。その間水をかけ続ける。理想を言えば翌朝完全に消えているが、それなりに乾いている状態。熟達するとこれができる。
今は小田原では田んぼ地帯で燻炭を作ることは、よほどのことでなければ不可能である。まずは苦情が来る。だから、山の中でやるほかない。おかしな時代だと思う。私はこの燻炭の燃えるに置いた好きだし。この煙の匂いで冬の近いことを感じる。燻炭は土をよくする。土壌に燻炭があると空隙が出来て微生物が増える。酸性土壌の日本では、燻炭を入れることで作物が作りやすく調整されるようだ。例えばホウレンソウができなかった土壌が、燻炭をかけてやることで良くできるようになる。やっと昨年は玉ねぎが出来た。それは苗を植え付けてから燻炭を十分にかけて抑草をしたからだと思う。お米の苗代に、種まきをしてから燻炭で覆っておけば、良い苗ができる。さあ準備が出来たという気分である。