沖縄復帰43年
15日が沖縄の日本復帰43年という事だ。沖縄が復帰したのは、大学にいた頃である。ミンセイの研究室の先輩が沖縄が返還されると、日本本土は沖縄並みの米軍基地になるから、返還反対だと主張していた。当時共産党がそのように言っていたのだろう。私は、ともかく米軍の占領を終わりにして、返してもらうことが先決だ。何が何でも沖縄を返還してもらって、主権を取り戻してから基地削減に取り組むべきだと、怒鳴った事を覚えている。当時の共産党はまさに、何でも反対だった。政府は、日本本土が沖縄並みにはならないように、でもないのだろうが、米軍基地の削減などまったく取り組まなかった。
中学生のころから、私は沖縄好きだったのだ。伯父の彫刻家の草家人が沖縄大学で、教えていた事があり、すっかり沖縄ファーンになって、家に来ると沖縄の素晴らしさを語っていた。それで、いつの間にか沖縄が好きになった。高校に入ると沖縄出身のヨヘナ先生に出会った。この先生は英語の授業担当なのだが、良く沖縄の現実を語ってくれた。アメリカ兵とのけんかの仕方など、手振り身振りで面白かった。転がって戦うのだそうだ。アメリカに留学して勉強した人で、都立大の大学院に行かれていたように思う。アメリカの占領下である事がいかにひどい事か、様々な事例を上げて教えてくれた。だから、沖縄が返還される事になって、これで差別は解消されると嬉しかった。同じ日本人にもかかわらず返還反対を主張するミンセイには、あきれ返った。アメリカは当時から大嫌いだったからこそ、返してもらってから、基地を追い出せばいいと思っていた。
所が43年間、沖縄の米軍基地はほとんど変わらない。返してもらった所もあるが、新たに作られた施設さえある。そして、今問題になっているのが辺野古の新基地だ。安倍政権が中国に対抗するために、由一の方法だと主張するものだ。この43年の年月を自民党政権はどう考えているのだろう。沖縄に日本の米軍負担を押しつけてきた事に、反省などないのだろうか。外交力を持って、沖縄の基地軽減を図る事が、同じ日本人としての政治のやるべき事のはずだ。安倍政権は口では基地負担の低減を言う。それなら、もっと具体的な成果を見せることだ。43年間出来なかった事が果たしてこれから出来ると言うのだろうか。まして、辺野古基地の建設は対中国の脅威に対するものだと明言している。
安倍政権はアジアの日本の企業権益を中国に奪われまいとしているだけなのだ。日本が軍事力が無いがために、中国にアジア諸国に形成した権益を奪われはじめていると考えているのだ。中国との経済競争に、沖縄の米軍基地の圧力を利用しようとしているのだ。それを日米の胸中の利益と考えている。だからガゥムやフィリピンや韓国に米軍基地が移動したのではだめで、沖縄が由一の選択と考えるのだろう。中国との対立軽減なら、尖閣を国連の司法判断に任せるのもいい。もし尖閣を軍事的に守りたいなら、もっと近くの無人島に米軍基地を作ればいい。選択肢はいくらでもある。それとも山口県に誘致するのも悪くないか。