ラーメンのリスク

   

東伊豆海岸 10号 東伊豆に港が描ける所が一か所だけある。なかなか車が止めにくいのだが、この場所には良く行く。

ラーメンは実においしい食べ物である。ところが残念なことに、ラーメンは身体に良くない食べ物である。大体1食で1000カロリーあると考えておけばいい。もちろん、500カロリーぐらいのものもあるが、いわゆるラーメンらしいラーメンは、驚くほどの高カロリーの食べ物である。又その脂分がブタの背油などで、どう考えて、不健康食の代表のようなものだ。阿佐ヶ谷でラーメン屋さんをやっていた、友人がいた。人柄が素晴らしく、みんながおにーちゃんと言って集まっていた。年に何回か、飲み会を楽しんでいた。ところがある時、突然死してしまった。味見を繰り返している内に、身体を壊したということだった。確かに、あのしょっぱさはさすがに良くないと思う。最近ラーメンというものを食べることも少ないのだが、時に食べたくなる。自分で作れば、あれほど身体に悪そうな美味しさにはならないが、身体に悪い感じが、ラーメンの美味しさなのだから、仕方がないのだが、覚悟をして食べるしかない。

「ラーメンか、うどんか、ソバか、」麺類が食べたくなった時の、この選択で大体体調が分る。私の場合、大抵の場合は、ソバである。衰えを感じる。うどんなら、家で食べたい。家のうどんが一番好きだからである。子供の頃のほうとうの味が残っている。ソバは、美味しいのはやはりソバ屋さんである。私はそば通ではないので、ソバなら、美味しいもまずいも大きな差は感じない。すごい美味しいという高級そばもある訳だが、ご飯がおいしいというのと同じでソバが美味しいは素材がいが美味しいということだ。わずかなソバの香りを楽しむというような、微妙な楽しみである。中華の名人が相次いで亡くなられた。美味しい食べ物が、身体に良いとは限らないということだろう。ラーメン通は厳しい。身体の持っている、食べたいという感覚が崩れているから、くどい食べ物に惹かれるようになるのではないか。本来であれば、ラーメンの様な食べ物は、暮らしには存在しない。

外食の食べ物。外食の王様がラーメンで、女王が寿司かな。子供の頃そういうものは全く食べたことがなかった。山の中で育ったからということもあるが、日本中で、ラーメンやすしを食べたことがないという人は、そう珍しいことではなかったはずだ。向昌院で始めて寿司というものを食べたのは、おじさんの結婚式だった。昭和32年くらいのことだ。板前さんが大勢出張してきて、料理を作ってくれたのだ。冷蔵庫などというものがないのだから、山のような氷と、生魚が、本当に珍しいものだった。正直生魚を食べるという感覚が、こわかった。上手いなど全く思わなかった。ラーメンを始めて食べたのは、東京だったのか、甲府だったのか。いずれ、小学校3,4年生の頃だったと思う。食事として食べたというより、甲府のおばさんの家に行った時、出前でラーメンを取ってくれたのではなかったか。これにもびっくりしたが。なにしろ、小食だったから、食べるのに苦労した覚えだけが残っている。

この地域のラーメンで好きだったベスト3は、大井町の255沿いにあった東名入り口に向かって、右側にあった店だ。そして、246号線の松田の丘の上にあった店。二つとも止めてしまった。両者ともかなりしょっぱい店だったが、もう少し普通にしてほしいとは言えなかった。しょっぱいのを覚悟して食べた。最後に残っているのが、開成町のコンクリート工場の近くにあるお店。と言っても最後に食べたのは、いつだっただろうか。忘れたほど前のことだから、ラーメンをずいぶん食べていないということになる。ここは豚骨系である。しょっぱい訳ではないが、相当にくどい、ラーメンである。何故、畑の真っただ中に始めたのかは分からないが、あの立地で続けているということは、腕が良いということではないだろうか。今度ラーメンが食べたくなったら、行ってみるつもりだが、ラーメンを食べたい欲求が起こらなくなった。

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