停電と原発ネズミ
ネズミが漏電の原因になり火事なるということが昔はよくあった。天井裏の電気の配線が、十分なものでなかったのだろう。ネズミがかじってそこで電気が何かに流れて熱を持つ。珍しい事故ではない。とくに、私のように養鶏をやっていると、鶏小屋にも電気が引いてある。家畜小屋というのは、どうしてもネズミが来る。ある意味ネズミとの戦いである。家畜小屋が漏電から火事というような話はないわけではない。だから、何箇所かに漏電遮断機がある。昔ならシューズが飛ぶということになる。鉛の線が容量以上の電気が流れたら、解けるようになっていた。この鉛の線を針金で代用したことで、火事になったという話も聞いたことがある。福島第一事故はまだ続いている。終息宣言はしたが、2年たってもまだ、完全に状況が把握されたわけでもない。汚染水は今でも海に流れ出ている。だから原発のそばの海は今も放射能汚染の値が減少しない。
東電はこのことに対して、原因不明であり、汚染水の流出はあり得ないとしている。ではなぜ海の放射能は減少しないのか。誰が考えても不思議なことだ。あれこれ原因不明ということで、2年間が経過した。東電は原発事故が起きたのは、津波によって電源が無くなったためとしている。冷却を続けるということが、原発に対しては絶対条件となっている。ウランというものは核分裂を始めると、熱を出し続ける。もう止めることはできない。だから、冷却用電源というものは、肝心要のものである。原子炉はたぶん大丈夫だったんだが、電源の確保に落ち度があったので、大事故につながった。東電の言い訳である。だから電源が原発の安全性において、最重要項目であるとなっていた。ところが、事故後2年たってから、29時間に及ぶ停電が起き、また冷却が出来ない状況になった。その原因がネズミが配電盤に侵入したためということである。人間はこの事故から何を学んだんだろう。
東電の人間が特に悪いということではなく、人間というのはそういうものなのかもしれない。あれこれ失敗するのが当たり前である。だから、失敗を補完する仕組みを作る必要がある。これも、福島事故後にさんざん言われた話である。東電は何も学習していない。しかし、政府も原燃も東電も、原発の再起動にだけに熱心である。このレベルの安全意識の会社に、日本人の運命を預けていいのだろうか。ネズミがいる位当たり前のことだ。野外に配電盤を置けば、最初に考える当たり前の注意事項である。たぶん電気会社のことだ、漏電に注意するように利用者には言っているくらいだ。知っていたはずだ。知っていても、注意しても、事故が起こる。この程度のことが上手くやれないものが、原発はないだろう。どう考えても、日本人の運命を託す気になれない。原発は事故が起きたら、その被害は取り返しのつかない規模のものになる。この認識が不足しているのではないか。故郷が汚染される悲しみは限りない。
ネズミ対策であるが、まずは配電盤を緊急対応したものから、恒久的なものに変えるべきだ。何故、2年間対応をしないできてしまったのか、検証すべき。しっかりとした建物を建てて、その中に配電盤を入れる。しかも、一つの配電盤事故で、4つの電気がすべて止まる仕組みはおかしいだろう。原子炉ごとに配電し、系統を安全のために2重にしておく。しかし、素人でも考えることをやらないできた東電という会社はひどすぎないか。家庭の電気でも保安協会という別会社がチェックに来る。東電の施設の場合、保安協会は指導に行かないのか。こういう会社にお茶の出荷停止の被害を与えられ、その保障もまだ貰えない。会って話したいといっても拒否されている。こんな状況下、政府は原発を再開しようという方向のようだ。自然エネルギーへの転換が、ヨーロッパに比べて相変わらず遅れている。一番力を入れなければならない日本が何故こんな状況なのだろう。
昨日の自給作業:玉ねぎの草取り1時間 累計時間:13時間