遠隔操作冤罪事件
パソコンの遠隔操作を利用して、警察の無能をあざ笑おうと言う犯罪者が現れた。犯行声明には13件の詳細が述べられており、4件が誤認逮捕に成っていたと言うことが明らかになってきた。と言うことは9件は見逃していたので、誤認逮捕をしないで済んだ。という事に成るのか。ネットの世界に警察力がいかに及んでいないかを示す結果に成っている。犯人が意図したとおりに警察が踊らされてしまった。専門家の意見では、それも仕方が無いという空気である。ネット利用者が注意するしかないという事のようだ。犯罪者に警察力が負けるというような、怪しげな仕組みが社会に存在する。どうもネットと言うものの成り立ちから言って、完全にこうした犯罪を防ぐことは出来ないとするなら、ネット利用者にそれなりの、用心を社会的にアピールすべきである。そうしないと、おれおれ詐欺の新しいパターンが登場する。
ネットバンキングなど、不正がいつ行われても不思議はない状態ではなかろうか。防御する方法が確立しないまま、便利そうなシステムだけが広がって行くことは、不安この上ない。私がカードが嫌いなのは、その口座にいくらもお金を入れて置かないでも、勝手に買い物をされたり、借金をされることがありそうな気がするからである。アメリカでは60億円が不正操作で送金されたという事件があり、結局は犯人は分からないという事が出ていた。以下のような日本での手口がでていた。
1:無関係の東京都内の会社員のパソコンを乗っ取り(ウイルス感染でID・パスワードが流出)
2:通販サイト運営会社社長のネットバンキングの契約者番号・暗証番号を盗み取る(ウイルス感染による)
3:1で乗っ取ったパソコンを使って、2のネットバンキングにアクセス
4:犯人グループが勝手に100万円を、別の口座に送金
5:その口座から「出し子」である薛容疑者が現金10万円を引き出す
神奈川県警の遠隔操作冤罪事件では、警察や検察の取り調べの、限界が出ている。証拠主義より、自白主義である。この被害者の大学生が、小学校襲撃予告の書き込みを自白させられている。人間はそうしたものである。やってもいないことをつい自白するものだ。どういう取り調べで、自白に到ったのか。徹底的に調査しなければならない。どうも保護観察処分を受けて、明治大学を中退していたということらしい。人生を狂わせてしまった怖ろしい警察の犯罪である。警察が犯罪を犯せば、無知だったからという事ではすまない。こういう時に必要なことは、取り調べの可視化である。いつ冤罪事件に巻き込まれるか分からないのである。捕まった場合、捜査を可視化しない限り、黙秘すると宣言する。どういう取り調べを行うと、やってもいないことを自白するのかを科学的に検証すべきだ。徹底した証拠主義にするほかない。自白を裁判に置いて判断の材料として、重きを置かないことである。
冤罪事件は国家権力における犯罪であると、位置づけるべきだ。金銭による賠償と言うよりも、捜査責任者への刑事処罰である。今回の事件でも、謝罪して済ますのではなく、神奈川県警及び検察は、責任を取らなければならない。責任者は辞職すべきだ。そうした処分が待っていれば、安易な取り調べは行われない。そうなれば、取り調べの可視化は、むしろ検察や警察が積極的に行う事に成る。自分の裁判の証拠に成るからである。冤罪事件を恐れて、検挙率が下がるとしても、仕方が無いことである。たとえ、千の検挙が増えるにしても、1つの冤罪はあってもならないことである。遠隔操作した犯人は、罠を仕掛けたのである。あざ笑うだけではなく、警察の捜査のいい加減さを、白日の下にさらそうとしたのだ。今回の事を反省の材料にして、警察は変わらなければならない。
昨日の自給作業:脱穀1時間 累計時間:48時間