土づくりの成功 2

   

山の果樹畑であった所を畑にする場合。土のバランスがくずれていることが多い。これは杉檜の植林の林であった所も、似たように考えていい。土壌の微生物が偏っていると推定される。麦畑からスタートするといい。麦の生育の状態を見て、畑全体の土壌の歪みを判断をする。果樹園は傾斜地が多い。傾斜地の場合周囲の地形いの影響がある。地中の水の流れに着目して、土づくりを考える。土壌に水を遮る部分が存在し、地下水の川があるイメージ。これを時間をかけて直してゆく気持ちが必要。果樹の根を取る時に土を上下に掘り返さないこと。畑にした後も、木があった所と、そうでない所では、変化が大きい。強い雨の時に畑に川が出来て、表土が動くようでは、土は良くならない。作物、あるいは草で表土が常に覆われている状態にする。いずれの場合も、表土が出ている期間は出来る限り短い方がいい。藁でマルチをしたりするのはいい。

耕作を続けると、3年目あたりから土に粘りが出てきて、表土が流れにくくなる。団粒かが出来るというらしいが、鍬を一畝畝立てする時間が半減する。果樹園は長年除草剤を使ってきた場合が多い。自然の状態の土壌とは、かけ離れている。どのような草が生えているかを観察する。大抵の場合偏っている。ゼニコケ等の苔が案外に多い。見たこともない外来種の草が出て来ることもある。除草剤がかけられても生き残る植物である。この偏りが無くなるまで、土壌が改善されたとは言えない。腐植を増やして行く。麦は根も深く入り良いもんだが、緑肥作物を夏場作ることから始めると良い。落ち葉がそばで手に入るのであれば出来る限り、落ち葉堆肥を入れてやる。良い堆肥の効果は1年間は続く。そして腐植を増加し、土の中の生物生息環境を改善し、微生物の土壌の改善を手助けしてゆく効果がある。

やはり堆肥を年間2トンは入れて、麦が300キロ以上取れるようになるまで繰り返す。雑草は少なく偏っているので、麦の後に緑肥作物を作るのは良い。麦藁もたい肥にしてから畑に戻す。夏草を生やし、刈倒すを繰り返し、腐植を増やす事を3年間は第一目標にする。2トンもの堆肥は多いい、と思われるが、転換して行く際は使う方がいい。5年間は作物を作りながらの土づくりである。土づくりの基本は、腐植を増やすということに尽きる。腐植が充分発酵した良い完熟たい肥であれば、土の状態が変えて行く、堆肥の中の、畑を良くしてくれる微生物が、土地を良い方向に作る導入剤のような役割をする。良い堆肥を作ることが重要となる。良い堆肥とは、良い微生物が充分に、生死を繰り返したものである。堆肥は腐植質の増加になる。畑の微生物の導入剤のような役割をする。

堆肥は自分で作ることである。購入した堆肥は、他所の環境で育った微生物たちである。堆肥の肥料成分や、C/N比以上に自分との相性がある。どうしても購入するのであれば、同じものを繰り返し使い、自分の使い具合を獲得しなければならない。堆肥づくりは、作物作りと同等に重要なことだ。笹村農鶏園では、それを養鶏場の中で鶏と一緒に行う。だから、農鶏と呼ぶことにした。養鶏場に、稲藁、麦わら、落ち葉、剪定チップ、植物残渣、乳酸発酵おから、等を入れる。養鶏場の床を良い状態にする。良い状態とは、しっとりしていて、堆肥の匂いが充満し、アンモニア臭が少ない。表面は鶏糞で固まっていれば、それを剥いで、出来るだけ細かく撹拌しておく。それを何度か繰り返し状態が良くなったところで、運び出して1カ月ほど袋詰めして寝かしておく。この状態であれば、畑の都合で日にちを空けることが出来ず、作物に追肥として直接まいてやることになっても、作物によいものになる。

昨日の自給作業:一連の堆肥づくり合計2時間 累計時間:11時間

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