凶悪犯罪と、再犯率
殺人や凶悪悪犯罪が毎日報道される。そのことだけテレビで見ていると何やら怖くなる。当然のことで、毎日20件の凶悪犯罪が起きている。警視庁の統計によると、少なくとも毎日どこかで、犯罪の被害にあり死んでいる現実がある。テレビではどの事件が、視聴者が興味を持つだろうと取り上げるので、毎日毎日殺人事件が報道される。随分凶悪犯罪が増えているという印象を誰しも持っている。しかし、10年前の3分の1に減少している。テレビだけ見ていると犯罪が減っている感じは少しもしない。この凶悪犯罪の数は、世界的に見れば相当に低い方である。とは言え、石川五右衛門の辞世の言葉「浜の真砂は尽きるとも、世に盗人の種は尽きまじ。」と言うことである。日本の殺人認知件数は1程度で毎年減少傾向にある。
その上で再犯率を報道が持ち出すとき、背景にある悪意を感じる。犯罪が増えていて、危険なので何とかしなければならないというような警鐘を鳴らす、正義の顔が出来ると言うことである。犯罪者の更生は難しいと言う意味あいである。「性犯罪者は性癖なので必ず再犯する。少年時、犯罪を犯すような者は、根っからの悪人だから、生涯犯罪を犯す可能性が高い。」こうした考えは間違いである。にもかかわらず、それを証明するためのねつ造したような、データーが何度も持ち出される。刑務所や少年院が、人を立ち直らせるように出来ていない問題がある。アメリカで行われている。ドックトレーナーに成る訓練を、犬と暮らしながら行う方法はいいと思う。さらに、社会復帰できる受け入れる体制の社会が不足。個々人が孤立しがちな、連携のない社会。暴力団に戻りたくならないような、思いやりのある社会の方が先決である。
誰かを攻撃の対象にしないではいられない社会的心理が生まれているきがする。かなりの人の気持ちが追い込まれている。3月11日以来の精神の負担が、覆いかぶさってきている事も増幅させている。頑張ろう、がんばろうでかろうじてやってきた。政府の余りの無能に、国民一般に大分疲れがたまっている。気おつけないと弱者にはけ口が向かう。橋下氏は3カ月に1回だか、ドカッと花火を打ち上げるイメージ作戦だそうだ。「困った時の憲法論議」という政界流の作戦である。世間の注目を集め続ける。これがタレント事務所の感覚である。良かろうが悪かろうが、目立たなければ始まらない。と言うので、正義の顔が出来れば票になると言うのが、タレント事務所的政治手法である。AKBを販売するのも、橋下知事を販売するのも同じような作戦になる。それを羨ましがって、まねしてついて行こうという気分が、選挙を控えたおおよその議員の心理である。
犯罪は全般的に言えば減ってきている。しかし、死刑判決確定数は増えている。2011年は24件で過去最悪である。過去0件の年もあった。これは数が減少しても、極端に凶悪な犯罪が増えているという意味もある。裁判の死刑判決の傾向が高くなっていると言うこともあるのだろう。死刑判決が増えたので、凶悪犯罪が減ったということもあるのか。昨年は刑の執行は無かった。死刑は廃止せず、執行をせず、死刑囚のままでおくと言う刑罰がいいという意見もある。私は死刑必要論であるが、タケさんの指摘以来、考えている。いずれ死刑の増加は世論の傾向に押されているということかもしれない。世論を作り出しているのは、違ったイメージを作り上げているテレビである。私も統計が間違っているのではないかと、何度も確認してしまった。書き終ってもう一度よく見て見る。