小田原ゆる体操クラブ
小田原でもいよいよ「ゆる体操」が始まった。開成町では街の体操として取り入れるそうだ。露木町長はさすがである。先日農の会の定例会で、ゆる体操を一度体験させてもらった。これがなかなかいいもので、是非とも定例でやりたいということになった。なにしろ農業をやっていると、同じ姿勢の作業が一日続く。夕方気がつくと身体がすっかり固まってしまい、ギシギシ音を立てるというほどになる。これは60過ぎてから、目立ってきた現象である。このまま行けば、どこかおかしくなるに違いない。と、不安な中無理な作業を続けていた。農文協では爽体操とか言うのを奨励しているが、本を見てやっては見たが、どうも努力の要る体操のようだ。この点だらしない人間には「ゆる体操」である。頑張んないでください。ダラダラしてください。これは疲れた身体には有難い。私としては、風呂屋でぶらぶら、だらだらするのにもってこいである。怪しくなっている、「膝、腰、肩の手当」になれば、言うことない。
藤崎先生がまた、とてもいい。ゆる体操をとてもいい感じで伝えてくれる。こういう事には、良い気が満ちないといけない。これは分かりにくいことなのだが、いやいややるのでは意味が無い。緊張してやるのでもまずい。真剣だけど、ゆるゆるでなければまずい。そういう良い気を指導者が発していることは大切だ。絵を描くと良く分かる。その昔、春日部洋先生と一緒に描きに行くと、良い絵が描けた。そのことが自分の絵の勉強にとても大切なことになった。影響とか、そういう具体的なことというより、不思議な雰囲気に引き上げられるような感じだった。そうして眼から鱗が一枚一枚落ちて行った。声楽の人が、出なかった高音階の声を、先生が引っ張って出せるようにしてくれると言われていた。多分絵の私の体験と近いことだと思った。ゆる体操を家でやっても、身につくものは少ないと思う。やはり良い先生に学ぶということは、進歩の第一歩である。
「小田原ゆる体操クラブ」はみんなのクラブである。みんなのサークル活動で、指導員の藤崎先生に来ていただいている形である。尊徳記念館で毎週第2水曜の夜7時からやることになった。前回は9名の生徒だった。1,500円である。入会金とかないから、一人でも多くの人にこの体験をしてもらいたい。知らない人でも構いませんので一度だけでも体験に来て観て下さい。部手にゆる体操協会とは縁もゆかりも無いのですが。前回は大変な稲刈りの前日、充分ゆる体操をした。これが、翌日厳しい肉体労働を9時間続けたにもかかわらず、筋肉痛なしである。62歳でこれは驚異的だと思うが、どうだろう。少し自慢である。この自慢をみんなに味わってもらいたい。
ゆる体操は身体を緩める体操である。筋力を付けるというのでなく。筋肉のこわばりをほぐすもののようだ。多分、やる前からなんであるが、気持ちの方も緩める体操ではないかと内心思っている。実はこっちの方に期待がある。なにしろこの文章でもわかるように、心のこわばりは相当のものである。文章がついつい固くなる。心の緊張やこわばりはなかなかほぐすのは難しいものだ。しかし、心と体はつながっているらしいから、身体の方がふにゃふにゃになれば、案外精神の方も少しは柔軟になるのではないかと、大いに期待しているのだ。なにしろ、知り合いが言うには体操が終わって、びっくりしたのは、みんなの顔がゆるんで変わって居たというのだ。これは良い。非常に期待できると思った次第だ。どこの誰でも参加できるので、是非来ていただきたい。何故か、このゆるい仲間が増えて、みんながゆるゆるになるのは、とてもうれしいのだ。