人間ウイルステロ

国の安全保障で今後一番重要になるのは、「人間ウイルステロ」である。嫌な想定であるのだが、遠からずどこかで起こりそうで怖い。バイオテロというらしい。今すぐの危機は原爆でも大陸間弾道ミサイルでもない。バイオ自爆テロが怖い。
テロリストが自らを、潜伏期間の長く、感染した死に至るにウイルスに感染させる。そして標的に近づき感染させる自爆テロである。そういうことをやりかねない不満が存在する。そうした自爆の思想が世界でははびこっている。それはイスラムの思想ではない。貧困格差からくる絶望から産まれている。
人間ウイルス攻撃に対して日本の安全保障の考え方は全く無防備である。多分考えたところで何もできないので放棄しているのかと思う。何万人もの人が集まる場所にウイルステロリストが紛れ込む。こうした危険はさし迫っている。
ミサイルどころではない危険が迫っているのが世界の現実である。生物化学兵器と言われている。実際に炭疽菌を送りつけるようなテロがアメリカでは起きている。自爆テロでなかったことで蔓延はしなかった。本気で敵国をせん滅するというではなかったことが幸いしただけだ。
WHOは多数の人々を殺傷する可能性があるという意味で注目されているのが、天然痘、サル天然痘、フィロウイルス、アレナウイルス、リフトバレー熱、ニッパウイルス、ダニ媒介脳炎、アルファウイルス等のウイルスと、炭疽、ペスト、野兎病、チフス等のリケッチア疾患等としている。
生物化学兵器が世界で開発される理由を上げられている。
1)製造が安価である。大量の殺傷を行うのに要する費用は、通常兵器で2,000ドルかかるとすれば、その200分の1の費用で済むのが生物兵器1ドルである。
2)種々の搬送手段(ミサイル、散布、郵便、食品、水、感染者)がある。
3)攻撃を関知されにくい。ウイルス感染自爆テロリストであれば感知は不可能。
4)感染により増幅されて被害が感染爆発によって無限に拡大される。
5)自然発生か人為的なものかがわかりにくい。
米国の資料によれば、ロシア、中国等10数カ国が少なくとも“生物兵器”保有国としてあげられている。もちろんアメリカはその筆頭である。コロナウイルスのワクチンの製造がすぐにできた国は生物兵器の研究が進んでいる国と考えていいのだと思う。生物兵器の研究の蓄積が、ワクチン製造へと応用できたはずだ。
ワクチン製造が遅れた日本はそうした研究はしていないという事になる。国の安全保障が化石化しているのが、日本の国防である。憲法違反の状況下での敵国基地攻撃など構想している内に、考え方がガラパゴス化しているのだ。できもしない攻撃をもやもやしながら考えている内に、頭が干からびてミイラ化している。軍人というものは身体を使い過ぎている内に頭の乾燥が進み固くなる。
これからの国の安全保障は、1,IT攻撃と漏えい防衛。2,自立経済と経済連携。3,食糧自給。4,生物化学兵器。5,格差のない自由な国民生活。6、平和外交。こうしたことを考える必要がある。ミサイルや原爆を持つ必要があるなど、全く頓珍漢なたわ言だ。
相変らず琉球列島の自衛隊配備だなどと考えている国防意識はどれほど世界情勢から外れているか。敵基地先制攻撃などと真顔で主張している人の時代錯誤はひどいものなのだ。真珠湾攻撃をして、アメリカとの戦争を始めた80年前の日本軍人の世界の情勢を見失った蒙昧とあまりによく似ているので笑えない。
国の安全保障はいまや直接的武力の時代でない。何故このことに気づかないのだろうか。生物化学兵器を考えれば、10人のテロリストがいれば、敵国を壊滅させることが出来ると言える。もし国家が追い込まれ自暴自棄になれば、そうした無謀な攻撃を行う可能性が出てくる。
それはオウム集団のことを考えれば、狂気がすぐ傍にあることがわかる。サリン攻撃が、生物化学兵器の攻撃であれば、地下鉄の同乗者は感染していたはずだ。そして、感染に気付く間に、何万人に感染を広げたはずだ。その時東京全体が、終わっていたのかもしれない。私はあの場所を1時間前に地下鉄で通過した。
オミクロン株の世界への広がりの速さを見ると、生物化学兵器が使われるという事は世界が忽ちに危機に陥るという事がわかる。アメリカではオミクロンウイルスの感染者が5万人規模の集会に参加していたという。その後どういう事になるかを考えたら、もう時間がないという事だろう。
日本へ2例の感染者が来ている。その飛行機の同乗者は濃厚接触者という事で隔離された。こうして日本でも感染が広がる前に時間を稼いで、対応策が見つかるのを待つほかない。もしオミクロン株が感染したら死んでしまうようなものであったならば、世界は崩壊することになる。幸いそうではないだけのことだ。日本への外国人の渡航を禁止したとしても、侵入は必ず起こるとしなければならない。感染を防ぐ手立てはないのである。
もしこれが生物化学兵器であれば、どのような結果になるか。アメリカの5万人の集会参加者全員が感染源になる。しかも、そのウイルスはチェックもできない。患者が発症して気付いた数日後には、5万人のひとが、次の感染を広げる役割をさせられている。
多分その時にはアメリカ全土に感染が広がっている可能性がある。どうやって生物化学兵器を防ぐことが出来るのかである。自衛隊では国防の研究をしているのだろうから、その生物化学兵器の防御方法を国民に示してもらいたい。迎撃ミサイルでも、敵基地攻撃ミサイルでもない。危険は未知のウイルスの方にある。
通常兵器の防御態勢など、的外れだと言いたいのだ。隣国と仲良くなり、互いを攻撃などしようと思わない関係になるほかないのだ。平和外交である。日本を崩壊させたいなどと考える国を無くすほかない。日本が世界にとってありがたい国になる以外に日本の平和はない。
武力をもって世界と対抗しようなどと考えること時代が、日本の危険を増しているのだ。日本は武力的に対抗などしませんという状況の方が、むしろ日本を攻撃しようなどという思いを抱かせないのだ。日本は平和国家であり、迷惑を決しておかけしませんという事を世界に示してゆく。
これ以外に日本の安全保障はない。日本の平和憲法に書かれている通りのことだ。この日本国憲法の理想主義がむしろ、現実になり始めている。それくらい、世界の危機は迫っているという事だ。余りに兵器の開発が進んでしまい。生物化学兵器にまで進んだ。
もう対立を解消する以外に安全保障はない。その努力を不断に行う以外に、日本の行く道はない。そのことを示してくれたのが、コロナウイルスなのかもしれない。いまならまだ、安全保障の道を変えることはできる。政府は目を覚ましてほしい。