石垣島の害鳥駆除
絵を描いている前を、恐れることも無く歩いて行くクジャク。石垣島の牧場の当たり前の様子である。美しいと喜ぶべきか。違和感があると悲しむべきか。鳥好きとしては迷うところである。
有害鳥獣に指定されているクジャクやキジの一斉駆除が4月8日、石垣島内全域で行われた。県猟友会石垣地区(石垣克治地区長)の会員で市から有害鳥獣駆除の資格を付与された約40人が参加しクジャク25羽、キジ19羽を駆除した。
市農政経済課によると、今年度2月末時点の有害鳥獣駆除数はイノシシ約180頭、クジャク約600羽、キジ約700羽。被害額は、イノシシ200万円、クジャク160万円、キジ80万円の合計440万円と、前年度の約360万円を既に上回っている。イノシシによるサトウキビ、クジャクやキジの果樹・野菜への被害は甚大で、カラスによる肉用牛被害も発生している。 ーーー八重山毎日新聞
昨日もイノシシの駆除が行われていた。際枝の集落のそばである。海側から、山の方に追い上げているようだ。山の中腹の道に10人くらいの人が銃を持って待っていた。その当たりでイノシシを見たことはなかった。もう少し山の高い当たりでは足跡をよく見る。確かに山の高いところでは箱罠を見かける。
キジとクジャクは毎日見ている。クジャクのネコのような鳴き声うるさいほどだ。群れで歩いている日もある。今日は尾の長い雄を三羽も見た。尾羽を見事に広げていることもある。すごい数居ると思う。感触では増えていると思う。クジャクは5メートルほどの距離まで近づいてくる。それほど怖がってもいない。箱罠で捕まえられそうに思うが。クジャク用の箱罠は見ていない。
キジは高麗キジである。子供の頃飼ったことがあるので見れば分かる。首筋に白い三日月があるのが特徴である。このキジは狩猟のために放鳥したものだと思う。石垣島もそうなのかどうかは分からないが、小田原はそうだった。キジもクジャクも美しい鳥である。肉も美味しいものである。捕まえて食べないのが不思議なくらいである。
増えてしまい困るのは、希少な動植物を食べ荒らすほど増えたことだ。インドではクジャクは国鳥である。大切にされている鳥だ。インドではクジャクは食べないのだろうか。あれだけいるのだから、食べているような気がする。石垣島では害鳥であるが、昔は動物園でわざわざ飼われていた鳥だ。
特に石垣では天然記念物のは虫類や昆虫の減少の原因のひとつとされている。このあたりは難しいところで、このまま居続けるのであれば、100年もすると今とは違う自然界のバランスが生じるのであろう。しかし、クジャクもキジもわざわざ放したものだ。この行為自体が愚かな行為と言うことなのだろう。
マングースでハブをやっつけようとして、マングースの害で困っている図式である。沖縄ではハブによる咬傷被害と野ネズミによるサトウキビの被害に悩まされており、これらを捕食する相手としてマングースを導入した。ところがハブを食べてくれないうえに、爆発的に増加してしまった。
人間が一番勝手な生きものである。希少動植物だから尊いと言うのも人間の勝手な話だ。あらゆる生き物がそれぞれの役割を果たしている。増えすぎて迷惑だからと言う意味の合理性を持たなければならない。
パンダが少ないから貴重だというのは分かる。外交に役に立つし、経済的な恩恵もある。見てかわいいから大人気だ。パンダのキャラクターを中国は主張したらどうだろうか。我が国の希少動物を勝手に使うな。野生動物には権利はないか。
石垣島ではカラスが一番の害鳥だと思う。カラス以上の害は無いと思う。畜産をやると必ず増える。牛をつつき殺すような悪さもする。養鶏場はカラスに狙われる。養鶏をやっていた頃、カラスを捕まえてつるしておくと近づかないというので、吊して置いたらなんと共食いをしてしまった。恐ろしい鳥だとおもった。
カラスは数がすさまじいものがある。たぶん何千単位ではないだろうか。無数に居るという感じだ。こんなに増えるものなのかと思うほどである。これは畜産と密接に関係している。牛の餌で増えているのだ。エサを狙っている。カラスが一定以上増えると、今度は牛をつつくようになる。
岩手の兄によると、岩手県の牧場ではカラスの害に困り、牧場の人達でカラスの見ているところで、カラスをさばき、カラス鍋を食べるそうだ。そうする頭の良いカラスは俺たちを食べる奴らだというので、ちか寄らなくなるそうだ。しかし食べてまずい鳥だと言っていた。鍋自体が真っ黒な色になったと言っていた。怪しい気もする、確かにまずそうな鳥だ。
牛のいるところにはカラスがいる。カラスが群れをなしている。これをどうにかしなければならない。何故、カラスが害鳥として扱われていないのだろうか。畜産の被害はかなりあると思う。もう一段進むと、カラスも餌不足になりもっと悪さをするようになるだろう。
石垣の生態系の一番の破壊者はカラスに違いない。カラスの半端でない数は観光にもマイナスだろう。不気味なまでの数だと思う。