石垣島の外国人労働者は279人、大丈夫だろうか。
このところ、崎枝の絵を描くことを許可していただいた場所で、毎日描いている。いつもは行く場所を変えていたのだが、この1ヶ月はこの場所に足が向かう。小笠原タコノキの下で絵を描く気分は最高である。
下の牧場の牛も私に少しは慣れたようだ。この前は牧場に入れて貰い邪魔になる木を切らして貰ったのだが、8頭の牛に囲まれた作業だったのだが、牛がおとなしくて少しも怖いと言うことはなかった。牛は切った桑の木の葉を食べたいので近寄ってくる。
沖縄労働局の調べでは八重山では過去最高の外国人労働者数になったとのことである。279人と出ていた。過去最高は本当のことであろうか。戦前には西表島には炭鉱があり多くの外国人が働いていたらしい。石垣島には台湾や朝鮮から多くの人が来ていたという。そうかそれは外国人ではなかったのか。
279人は2018年の人数だ。だから現状では300人は超えているだろう。500人くらいにまで増えているかもしれない。この人達はコロナが広がり、今どうしているのだろう。仕事は大丈夫だろうか。こう言うときになると、立場の弱い人ほど苦しいことになる。10万円は在留許可があれば出ると言うことだが、在留許可のない人だって居るのだろう。
5万の人口で500人は1%、で多いというほどではない。最近見かけないようになった気がするのだが、人の居るところに行かないからなのかもしれない。感染も恐れているのだが、それより観光客とみられる冷たい視線が嫌なのだ。街の緊張感はまだ張り詰めている。
恐怖が高まる中では何でもないことをきっかけで差別が起きかねない。差別は絶対にあってはならない。仕事を不当に辞めさせられたりしていないだろうか。石垣島で働いている外国の方々が、つらい目に遭わないように願っている。
暮らしを支える公的支援はようやく動き出した。政府が一律10万円を支給する「特別定額給付金」は住民登録している外国人も対象だ。3月下旬には最大月20万円を無利子で貸す緊急小口資金といった貸付制度の支給対象も広がり、外国籍の人でも住民票があれば申請が出来る。
石垣島でも困り果てる外国人労働者の姿が想像できる。労働力とはみなされても生活基盤の安定は考慮されにくい実態があるはずだ。平時は外国人への支援は基本的に、日本で一定期間働く人ではなく定住者や永住者が対象だ。
日本の外国労働者の導入は、都合の良い労働力という考えが徹底している。日本で暮らす同じ人間というようなものではない。労働力を受け入れるのであれば、全く日本人と同じ社会保障や教育環境を準備しなければならない。コロナでこうした社会の欠陥が浮き彫りになっているにちがいない。
500人は外国人の労働者だから、外国人で石垣島に暮らしている人の数ではない。実際に滞在している人を含めて在住の外国人と考えれば、千人はいるのではないか。観光客が激減した今でも石垣島にはかなり暮らしているのではないかと想像している。石垣島には実は外国人は多い。観光客だけではない。たぶん半定住している人もいるのだろう。こうした人は見かけることが今でもある。
働いている人はホテルやコンビニや建設現場。あるいは漁業関係者。運送業者。農業関係者でも働いてくれている。これから経済が後退したら、本国に戻るほかないのだろうか。あらゆる現場で見かける。それは日本のどこでも同じなのだろう。看護師さんや養護の職員でもいるのかもしれないが、その方々は今この緊急事態の医療を、日本の各地で日本人の命を支えてくれている。
国籍ではネパール、ベトナム、フィリピンという順番で多いそうだ。ネパールの人で沖縄に来る人は余り都会ではないと言うことで沖縄を選ぶらしい。差別は沖縄でもあるだろうが、沖縄のほうが外国人になれている分、差別はきつくないかもしれない。それでも、コロナでの差別は給与とか、解雇とかそういう所で起きていないだろうか。
外国人労働者の受け入れ推進は政府が日本経済のためにあえて行って居ることだ。労働人口が減ると言うことは資本主義経済では競争に負けると言うことになる。それでも外国人が日本人が余りやりたがらない仕事を引き受けるという状態はいかにも健全でない。階層社会では下層階級のしたに、さらに低い階層が必要になる。
ひとつの国はその国土で食料が自給できる規模がいい。その規模から言うと6000万人ぐらいが日本の人口である。6000万人ぐらいに治まる国になるのが目標である。それは日本が中堅の国になると言うことだ。その意識を日本人は持たないと、鼻持ちならない日本人として、近隣諸国から疎まれることになる。このことにまだ日本人は気付いていない。
外国人労働者が日本に来ることは、反対であった。感情的には受け入れない日本人だからだ。しかし、その心配はないようだ。遠からず外国人労働者が来てくれる国ではなくなる。もしかしたら外国に日本人が出て行くことに又なるのかもしれない。平和な国になり、世界の国から喜ばれる普通の国を目指せばいいだけのことだ。
日本には豊かな恵まれた国土がある。この国土で理想の国作りをすればいい。競争などしなくとも、普通に暮らせる国である。自由と文化の恩恵に浴し、安心立命出来る国である。日本は江戸時代にそのすばらしい永続可能な国を実現している。
石垣島はそのモデルになれる地域である。5万人が自給的に暮らせる島である。それだけの水も、農地もある。そしてすばらしい八重山の文化もある。ここに観光に来て貰えばいいのだろう。それだけのすばらしい自然環境が備わっている。
環境を大切にすることだ。ごみなどどこにもないような島にしなければならないのだろう。やることはいろいろある。自衛隊基地を作るなど、見当違いの悪政である。少しも良いことなどない。石垣島は防人の島になどにはならない。