深い反省に基づき共謀罪の施行

   

アベ政権は深い反省をしているそうだ。そして人心一新を選択するという。深い反省に基づき、共謀罪は7月11日に施行される。失敗を検討した結果、配役を変えて人心を一新するという事のようだ。これが深い反省の結論。残念ながら、日本国民はそれくらい忘れっぽい。何しろ、すでに戦争に敗れ、総ざんげしたことを忘れ始めているぐらいだ。アベ政権は深い反省に基づくとするなら自分の行動の浅はかさを顧みて、辞職するのが人の道だろう。アベ政権はソフト独裁というものの怖さを見せつけている。報道というものをとことん操作している。それはアメリカファーストのトランプ氏と似ているが、トランプほど正面からはやらない。広告収入を断つなど脅して、まるで大本営発表のような新聞を作り出す。加計学園問題の前川氏へのゆすぶり方は怖い。加計学園の獣医学部を考えた場合、作るべきという考えと、作る必要はないという考えがある。考え方というものは様々複雑に絡み合っているものだ。だから、あらゆる意見が議論されることが重要なのだ。

自分と違う意見に対して、罵詈雑言と裏からの画策以外には思いつかないのがアベ政権である。安倍帰れコールを叫んだ人たちに対して、こんな人たちに自民党はまけない。共謀罪で取り締まれという意見があるそうだ。様々な考え方があり、それぞれに一理ある。獣医学部は増やすことには私は賛成である。それを必要以上に拒絶し続ける文科省の規制は問題だと思う。しかし、その文科省の考え方にもそれなりの理由があるはずだ。その両方の主張を国民の前で堂々と議論をして展開することが大切である。その議論を生かして結論を出す、当たり前の国会にしなければならない。それを審議委員会に初めから、獣医学部を増やすべきという考えの人たちを集めて、議論する振りをするという、嫌らしいやり方なのだ。自分の意見に賛成の人を集めるのがアベ政権のソフト独裁のやり方なのだ。憲法だってそういう手法で拡大解釈を続けている。そのやり方の卑劣さがさすがに国民にも気づいてきたと思いたい。

アベ政権は私が知る限り、過去最悪の政権である。自民党政権はすべからく嫌いではあったが、これほどひどい政府は初めてである。その原因は小選挙区制によって、3分の2を超える議員数を持った初めての政権だからだ。与党がこれだけの議員数を持ってしまうと、少数意見が無視される。少数意見を十分に検討するのが、本来の民主主義である。ところが、共謀罪を不安視する国民が50%以上いる状況であっても、政府はその法律の実態を十分に検討議論する前に、結論ありきで進めてゆく。テロ等準備罪によって、どうしてテロが防げるのか理解できた国民はどれだけいるだろうか。何故オリンピックをやるためには、この法律が必要なのか理解できた人は居ないだろう。アベ政権が共謀罪を必要としているという事だけは分かった。その意味はソフト独裁政権には、共謀罪を利用した情報収集が不可欠という事ではないか。私がこんな政府批判のブログを書き続けていて、怪しげだから、情報収集をしようという事も合法的にできるようになってしまった。

知られたくないことや弱みは誰にでもある。そういう事が一切ないというような人間はどちらかと言えば面白くない。もし政府批判をすれば、前川文部次官のような目に合うという事だ。私など物の数にも入らないからほって置かれているだけだ。実は共謀罪はこういう恐ろしい法律なのだ。少なくとも、反政府的な思想をこういう真綿首の脅しを加えて圧迫することは出来るだろう。就職にも影響しますよ。結婚にも影響しますよ。出世にも、子供にも、なんとなく影響しますよ。というのがソフト独裁の本質なのだ。結局のところ自己制御によって、政府迎合的な思想の持ち主であるかの気分になる。まあ、いいかの曖昧な思想の中に暮らすことになる。ハイル・アベと並んで万歳しておいた方が得なような気分にさせられる。人間は弱いものだ。その弱さに付け込むのがソフト独裁の仕組みだ。自給生活が良いのは、そういう不安が極めて少ない。兵糧攻めができない。だから言いたいことが言える。言いたいことが言えないような社会は、ダメな社会だ。衰退する社会だ。

 

 

 - Peace Cafe