醤油の作り方(米袋方式)

   

朝4時30分に火入れ、緊張と高揚

今年は大麦で醤油を仕込む。写真は油のタンクを改造して作ったかまどに、大釜を載せてあるところ。大豆30キロぐらいは煮れる釜である。大麦にしたのは家の畑で作った大麦が余っていたからである。小麦も醤油のために10キロ残してあったのだが、初めて小麦を作りたいという人が、種がほしいというので、その人に小麦栽培を頑張ってほしかったので差し上げた。元気に育っていると言われていた。大麦は種用がたまたま余って残してあった。初めてのことだが、大麦でやってみることにした。大麦で仕込む醤油もある。アミノ酸が小麦の方が多いいとあるが味はどう変わるだろう。今まで作ってきた小麦の醤油が充分においしい。大麦で仕込んだ醤油は違った味わいになるといいのだが。少し冒険である。何しろ2年かかるから、細かいことは忘れてしまうので、記録しておく。樽に良く材料を書いておかなければならない。前回のやり方は2015年の醤油の作り方。自給の技術はそれぞれである。自分で作り出さなければ役に立たない。本から学びたいなら、10冊は読まなければ間違う。一人のやり方に従うようでは、自分の方法にたどり着くことは出来ない。だからここに書くものも、その他の事例程度に過ぎない。

陽が昇ってきた。鷲の鳥節を唄った。

24日に準備をした、大体1時間で準備完了。大豆を洗い。かまどの設置。大豆の浸し。浸しは20時間となる。道具の配置。朝9時にこれだけしておいた。そして、25日4時半には火入れをした。予定では12時まで煮るつもりだったが、6時間半の11時に完成した。後は残り火で水分を抜きながら1時間。煮上がりで水分がない状態にしたい。それでいて焦げずに、柔らかく柔らかく煮あげる。今回豆の煮方は上手く行った。昼ごはんの1時間で午後1時から仕込み。明るくなった6時30分頃に、大豆は泡立ち盛り上がった。慌てて水を足しながら、豆が釜の中でぐるぐる回るように、調整する。火が強いのもまずいし、火が弱くて沸騰せず豆が釜の中で回らないのも良くない。水を多くすると、出来上がりの時に水が残ってしまうので、仕上がりで水がない。しかも豆は形がありながらもトロトロに柔らかくなるように煮てゆく。一方で大麦を焙煎しているので、なかなか火の調整が難しい。行ったり来たりしながら、煮あがるのを待った。 

そのうえ三線の練習もした。朝の明けてくる空気の中で、八重山民謡を歌うのは、何とも気分が良い。すごい下手なのだが、上手い下手は関係がない。自分が気分が良ければ構わない。余り人前でやるようなことでもない。唄に熱中していて、ついつい大麦を焦がしてしまった。こげたぐらいの方が炒るのが足りないよりいいと思っている。醤油が濃い色になるのは、焦げ色でもある。三線のお陰絵でいい調子に焦げたという事にしておく。朝から麦を炒り、冷めるのを待って砕く。今年はコーヒーミルの一番荒いので麦を砕いた。この方法だと、1キロ5分かからないで出来る。今年は2キロの大麦なので、10分ほどで終わった昼休みに3年物の我が家の醤油の味見をしてもらった。美味しいと言ってくれた。この醤油は、火入れをしていない生きた醤油のままである。醤油が生きていれば3年たっても、常温で悪くなることはない。塩のとげとげした感じが無くなり、まろやかさ、甘みが強く感じられる。

 

少し吹いて泡が吹きこぼれた。今年は最高の出来に煮えたので。その後の作業も実に手際よく進んだ。大豆を冷ましながら、小麦の砕いたものを混ぜた。すでに取り分けたりしている内に、60度ぐらいになり、小麦を混ぜていたらそこそこいい温度になった。コーヒーミルで一番荒いメモリに合わせて砕いたものだ。湿度がいつになくいい状態だった。2時には家に持ち帰った。片づけの間は車の中に置いておいたが、日光で丁度良い温度が保てた。家に帰って仕込んだら、何と丁度36度。そのまま保つように袋に入れたままだ。本当は温度計を置いたところが36度で他はもっと上がっていたり、下がってえていたりする。然しそれほど細かいことは気にしない。特に保温はしていない。麹の塊を布でくるみコメ袋に入れる。それを木の箱のカバーをしておく。保温をしないでも温度は上がるので、上がってきたら、箱を動かして、温度を下げる。これが今現在の状態である。いつ一番手入れを行うかである。

奥にあるのが添い寝をした布団。白い線が温度計。4時現在、36度。気がかりで、ずーと付き切りである。それでもなるたけ静かに、静かに育てる。手の出し過ぎは良くない。

一番手入れ26日4時 袋の中の様子 すでに、白い麹菌が広がって良い匂いがし始めている。

手入れ後袋の中に麹を広げて覆いを取り払いこの姿で置いてある。奥の白い布が、くるんであった綿布。

★26日11時30分に40度に上がり2番手入れ、手入れ後27度に下がる。袋を切り開き、麹を薄く広げ、いくらか花道をつけ広げる。

★27日1時30に40度に上がり、3番手入れ、19度に下がる。木箱のふたを調整しながら、温度管理をする。温度を下げることが難しい。良い湿度で、麹菌を育てながら、温度を上げないこと。床の冷たいところに移動をさせると品温が下がる。

★27日13時 (仕込んで48時間)35度くらいで 4番手入れ。このまま出麹までゆくつもり。2か所で温度を測定している。一番高そうなところ、一番低そうなところである。もっと温度差が出ることもある。場所によって温度が違う事は、手入れの時にわかるので、冷たいところを高くなる中心のあたりに移動しながら、手入れをする。

最終段階の様子。

 拡大したところ。こうして広げたまま、出麹に進める。ところがこの後また温度が上がり、手入れをした。

★28日4時10度になっている。出来はまあまあ良かったのではないか。写真とさして変わりはないが、もう少し発酵が進んだ様子。仕込んでから60時間で完成というところか。今日の内に塩水に仕込むつもり。醤油麹は保存がきかない感じがしている。

★28日8時から塩水を作り醤油を仕込む 塩水は6リットルの水に塩を1,4キロ入れた。それを良くかき混ぜて溶かす。塩分濃度や水の量は好みだと思うが、塩水を調整しながら加え加えて全体量を決める。少し余らせてもいいくらいで準備する。

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