小池効果
豊洲問題やオリンピック問題が徐々に明らかなってきた。小池効果である。やはり時々違う系列の人が、過去のをほじくり返すという事がなければ、組織は腐るばかりである。石原都政がいかにひどいものだったのかを都民は反省すべきだ。でたらめ都政を3期も続けさせたのは都民の責任である。尖閣問題にまで口を出して、肝心の都政は手抜きで役人任せであった。役人もそういう知事がやりやすかったのだろう。勝手にやってしまえば読まずに判を押してくれるのである。さらに驚くところは、議会である。その間機能していなかったのだろう。都議会自民党が小池知事に反対した理由がよく分かる。神奈川県会議員というものが、不要だと書いたことがあったが、東京都議会議員という存在も要らないようだ。富山市議はでたらめな政務調査費の使い方である。富山だけのことだと考える人はいないだろう。政治が腐っているのか、政治家が腐っているのか。
この長きにわたり、都議会は都庁のでたらめについて、何を審議していたのだ。寝ていない時には、女性蔑視のヤジを飛ばす位しかやることがなかったのだろう。議員というものは何なのだろう。お金がもらえるからなるのだろうか。議員に就職したようなつもりなのだろうか。それならできるだけ働かないで給与泥棒という輩が現れても不思議はない。そもそも、豊洲移転の入札が怪しげである。この点都議会は何故問題にできなかったのか。建設や環境問題は、素人の都会議員にわからなかったという事もありそうなことだ。しかし、予算をチェックするのが議員の主たる役目であろう。予算案は検討しても、決算書は見ないという事なのか。まずは都議会議員はその役割を果たせなかったのだから、東京都の決算の総点検をしてほしい。ここまででたらめな東京都政であれば、洗い出せばどれほど問題があることか。
石原、猪瀬、舛添、いずれも有名人で人気者だ。能力もありそうだ。しかし、全く機能していなかった。ワイドショー政治になっているという事でもある。都知事が興味のあることは話題になる。それなりに熱心だし、明らかになる。しかし、膨大な仕事量のある東京都において、大半の実務的な仕事は目立たないうちに進んでいる。税収も豊かだから、新銀行東京のようなことですら、なかったように終わった。その背景で、膨大な量の子供が、保育園に預けられない状況になっている。収入の豊かな東京都においては、でたらめでも済まされてきた。都民銀行で大損しても、東京都は破たんしなかった。尖閣の都有地構想。そして東京オリンピックの誘致である。いかにもワイドショー的である。こういうことをやれば自分の評判が上がるだろうという目立つ事には力が入る。世界中が政治をくだらないものにしている。
韓国でも、フィリピンでも、アメリカでも、イギリスでも、選挙がとんでもないものになっているようだ。それは選ぶ選挙民が変わり始めたという事なのだろう。選挙民が自己利益が他になっている。競争社会では当然自分に有利であるという事が選択の仕方になる。その結果の選挙でえらばれる人が、トランプのような人であるとすれば、多くの政治家はトランプのようになる。選挙民が第2のトランプを生み出している。自己犠牲とか、社会正義とか、子孫のためのとか、そいう事は二の次になっている。打算的な選挙民が何もしない、議員を選んでいる。小池さんも保守内の反対勢力という形で登場した。今のところは、批判である。さて何をするのかが問われる。特に大阪、名古屋、東京都、理念のない政治が人気のようだ。損か得かだけで、政治を動かそうとしている。長い将来の都市での暮らしをどうしてゆくのか。そうした当たり前のことが、置き去りになっていないのだろうか。