パナマ文章とタックスヘブン
税金逃れの世界の富裕層と大企業の醜い姿が明らかになった。いまだ、違法性はないというような言い逃れをしている。この問題は国家と資本主義の関係の行き詰まりが現れている。中国で汚職を一掃すると主張していた、習近平氏の周辺の人物が実はパナマ文章に名前があるというようなことである。ここにあるのは、利己主義と国家という関係が問題になる。自分が利益を上げたいという事が、すべてに優先し、ついには国家の利益を阻害するという事になる。人間の欲は正義や倫理を簡単に超えてしまうという事なのだろう。本来であれば、税金というものは利益を上げた場所に還元されるべきものだ。税金でその地域は運営されている。その地域が健全な社会であるためには、その地域で生み出された利益は税金として地域に納められることが健全な社会だ。ところが、税金が極めて低い地域がある。そこにペーパーカンパニーを設立する人間がいる。
これは世界企業と国家という問題を含んでいる。何の産業もない地域が一つの産業政策として、タックスヘブン政策を行う。アベ政権下、財政状況が悪い中企業は内部留保を増やしている。こんな状況でありながら、法人税の値下げをした。これからさらに下げるので、世界の企業は日本に来てください。と先日もヨーロッパ訪問の中で言わされている。国家というものが、客引きをやっているような状態は過去のやり方だ。法人税はその国の社会状況によって変わる。ヨーロッパのような公共投資が終わっているような国と、これから公共投資をしなければ社会インフラが整わない国では、必要となる法人税は異なる。また、所得税、消費税を中心に考える国と、法人税を中心に考える国では、異なる税体系になるのだろう。企業というものが国よりも企業自体の利益で、誘導されてゆくのは資本の原理である。世界企業と国家の関係を整理する。富裕層から相続税を確実に取れるようにする必要もある。
犯罪者が悪いお金をロンダリングすることにもタックスヘブンは利用される。日本の企業でも悪いお金を必要としていて、利用していると思われる。何もパナマだけのことではない。世界中に至るところに税を優遇する地域が存在する。日本でもどうだろうか。沖縄と北海道を法人税を特別優遇するなどという事になれば、おかしなことにならないか。現状では企業の集中する東京が有利になっている。国家の監視は税の入りと出を注目するという事に尽きる。日本にとっての目先利益のためにタックスヘブン考えることは間違った選択だ。国家という枠組みを最優先すべきだ。企業にも倫理を求めるべきだ。タックスヘブンをするような企業をブラック企業として、名前を公表してゆく。法律では取り締まれない部分は必ずある。相続税と消費税の課税強化を考えたほうがいい。その前提として、国家という枠組みを守る倫理を構築しなければならない。
世界共通の枠組みは100年はできないであろう。それなら、日本で活動する企業に日本国が、枠をはめる以外にない。日本の国税局はタックスヘブンに対して、対応能力がない。社長がタックスヘブンで相続税逃れをするような企業のものを購入しないことだ。法人税を下げてタックスヘブンに対抗するなど愚の骨頂である。法律は最低限の枠ではあるが、税逃れを出来ないように法整備を進める必要がある。しかし、アベ政府は大企業や富裕層によってできているので、タックスヘブンを取り締まることなど考えもしないだろう。瑞穂の国は法を超えた、思いやりで出来上がっていた。そうでなければ、水田は守れなかった。タックスヘブンが違法でないのだから何が悪いと、コメントをしている人たちがアベ政権をつくり、資本主義体制と民主主義を崩壊させようといしている。正しい行為で恥ずかしくないと考えるなら、自らその行為を公表してほしいものだ。