チュニジアのテロで自衛官が負傷していた。

   

国会の質問で、中谷防衛大臣が陳謝していたので、どういう事かと思っていた。自衛官が先日のチュニジアの博物館で日本人がイスラム原理主義者に殺された事件の際に、自衛官が負傷していたというのだ。この自衛官は派遣された、調査員ででもあったのだろうか。自衛隊中央病院(東京都世田谷区)の麻酔科に勤務する3等陸佐の医官、結城法子さんという人だ。不思議な事件である。まさか女性の自衛隊員が単なる観光目的で、この時期にテロの怖れのある国へ出かけて行くだろうか。一応はこの女性自衛官の迂闊な行為という事で処罰を行い、決着した様だ。もし、単純に迂闊だとしたら、ちょっと国際感覚の意識がここまで欠けていていいものだろうか。先日のイスラム国の日本人2名の殺害事件以来、日本が対イスラム国有志連合の一員であるという事が明確になり、日本もイスラム国の標的になると言う事が、さんざん議論されたばかりだ。隣国のリビアでも、アルジェリアでも、テロが頻発しているのは誰でも知っている事だ。

どうも日本人は間が抜けているのか、平和ボケなのか、もしこの自衛官が誘拐されていたら、どういう事になるのか。必ず、スパイ扱いを受けるだろう。日本の立場が悪くなるに決まっている。先日も、ジャーナリストが報道の自由を守れという事で、シリア渡航を認めろと主張していた。もしどうしても行きたいのなら、日本人である事をやめてからにして欲しい。戦場の取材は必要、そうしなければ戦争の悲惨さが伝えられない。こういう主張があるが、私は映像など見ないでも充分に想像できる。戦争は何故してはならない事なのだ。私は戦争では何も解決できないから戦争は無駄だと考えている。例えば第2次世界大戦で、世界中が戦争をして何かが解決できたのか。ドイツのナチズムの暴虐は確かに抑えられた。しかし、そうした暴力を暴力で抑える手段では、必ず次の暴力を産む。

ドイツのナチズムがその暴力性を拡大した背景には、武力を正義と考えたからだ。経済力や能力主義を正義とするように、軍事力を正義として、その大きさを競うという時代背景があった。そいうした軍事力を価値観とする競争が、優秀な者が、弱者を滅ぼしてしまうナチズムを産んだのだ。そして、日本もその軍国主義に巻き込まれ、軍拡競争に必死になったわけだ。そして敗戦して戦争は終わった。勝利した連合国側にも、何も良いことなど無かった。そして、現代はイスラム過激派による、テロや破壊行為が広がっている。ナチズムの暴虐と変わらない。武力によってこれを抑える事よりも、何故こうした無謀な暴力主義に走らなければいられないかを考えるべきだ。石油という資源が、イスラム諸国をむしばんだのだと思う。不労所得という物は、人間の成長を阻害する。

イスラム国の事をさいきんISアイシスとか呼ぶ。何の事かよく分からない名称になった。国という物はどういう物なのか、私はイスラム国と考えた方がいいと思う。イスラム原理主義という国家の理念もある。充分の面積の統治地域がある。不都合な存在だからと言って、自分達が国だと名乗っている以上、そう扱った方がいい。同じことをクリミア半島の独立投票の際も書いた。独立を認めない理由が、不都合という事ではダメだ。世界がこのまま、軍事力の競争に入るとすれば、中国はアメリカと同等の主張をする国になるだろう。中国に日本が対抗できない時が来て、尖閣諸島が占拠されたときには、日本はどうするのだろう。我慢すると言う事になるのか。そいした強い者の意見が通ると言う世界を変える努力を考える以外にない。

 

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