北朝鮮には意図がある。
果樹の畑 10号 ならないプラムの木だ。成らないけど姿は美しい。
北朝鮮外交は巧みだ。日本政府が踊らされているのかもしれない。拉致被害者の帰還が、経済制裁と引き換えということが、そもそもおかしい話だ。おかしいけれど仕方がないという、正義の存在しない話で嫌になる。安倍氏の行動には行動で示す必要があるという考えは、分るようだが間違ってはいる。拉致は犯罪行為なのだ。原状復帰するのは犯罪者の義務だ。まあ、そういうことを言ってもしょうがない相手である。国家が拉致などというとんでもないことをする。こういう相手と交渉しようというのだから、筋道はどうせ立たないことを覚悟しておく必要がある。被害者の一人でも多くの帰還を願うばかりである。犯罪行為の結果で経済制裁の解除を引き出そうというのだから、まっとうな外交からいえばおかしすぎることだ。誘拐された人の解放交渉だから、相手が何をしてきても対応するだけの、覚悟で当たらなければならない。
拉致被害者という立場からいえば、そんな正論は聞きたくもないだろう。どうであれ、一人でも多くの被害者の返還を実現する以外にない。この難しい交渉を日本政府に出来るのかということになる。北朝鮮はそう一筋縄で行くとは思えない。いかにも期待できるような情報を述べて、期待を膨らませていくだろう。日本人の期待が膨らんだ所で、長距離ミサイルを発射するのではなかい。この時経済制裁と被害者の返還をどう天秤に計るかである。さらに、核実験をする可能性も高い。日本がどこまで制裁を解除できるかを値踏みするだろう。そうして、日本の外交がぐちゃぐちゃになる可能性がある。当然アメリカやその他の北朝鮮制裁に参加している国は、日本の制裁解除に対して、批判的になる可能性がある。日本は板挟みになってゆく可能性が高い。日本が国家として、どういう態度がとれるのかは、今から覚悟して置かなければならない。
交渉前日になってのミサイル発射である。日本政府の反応を見ている。政府は早速ミサイルにかかわらず、日朝交渉は行うと発表した。このように値踏みされ、甘く見られるだけだ。拉致被害者の生存情報が小出しにされ、又ミサイルの発射である。日本側の甘い態度が見え見えだ。拉致被害者を返さないのは、日本が経済制裁解除の約束を果たさないからだ。こう言いだすことになるだろう。日本政府はアメリカと拉致被害者家族とを見比べながら、にっちもさっちもいかなくなる。それでも情報は小出しに出されてくる。ますます、日本政府は動きが取れなくなる。たぶん朝鮮総連ビルの買い取りが当面の焦点になる。裁判所の判断を覆す形で、日本政府は何らかの手を打たざる得なくなるだろう。その交換このことに触れていないが、当然約束あのビルは北朝鮮が使い続けるのだろう。経済援助を日本が先行してやらない限り、交渉が進まなくなる可能性が高い。
外交交渉である以上、北朝鮮が痛いと思う所を突かなければ交渉はできない。やはり、鍵は中国と韓国である。日本が韓国、中国と対立している以上。この交渉は上手く行かない。韓国は日本の10倍も拉致被害にあっているのに、全く冷ややかである。戦時中だから当然ということか。何故、韓国中国と和解しようとしないのか。対立を深めるのでは、北朝鮮の危険度を下げることはできない。北朝鮮としては、中国を揺さぶるために、日本に接近しているということもあるのだろう。いずれ日本人には、人命は地球より重いというような、ひ弱な所がある。この後どういう展開になるにしても、気持ちを強く持ち、対抗しなければ北朝鮮の思うつぼにはまる。北朝鮮は経済が困窮している、だから経済制裁が効果を上げるという考えは、当てはまらない。北朝鮮は日本で報道される様な困窮状態ではないと私は考えている。日本の生活レベルと比較しても無意味だ。北朝鮮の農民が豊かであったことはない。今の状態を耐え続けることはできる。