ケビン・メア日本部長

   

アメリカの外交官が、沖縄に対して侮辱的な考えを持っていることが分かった。アメリカの一面を良く表している。国務省の部長が、学生に対しての講演の中で語った言葉である。この人の発言が、正確にこうだったかどうかはわからないが、一般アメリカ人の本音と考えて間違いはない。講義録を複数の学生がまとめた上で出てきたものだ。聞いた若い学生たちには、衝撃的なもので、少々悪い部分が強調はされているかもしれない。「怠惰でゴーヤが作れない。」という部分が特に興味深い。わざわざひどい誤解をでっちあげる訳もない。ケビン・メアという外交官は農業を知らない。この人のことを調べてみる。「1954年生まれ。81年、米国務省入省。在日米大使館安全保障部長、駐福岡米領事などを経て2006年~09年まで駐沖縄米総領事。国務省日本部長として日米の実務者協議などの際にたびたび来日している。東大東洋文化研究所の客員研究員の経験もあり、日本語が堪能。奥さんは日本人」とある。早速更迭された。それで済む問題ではない。

日本人の本音と建前に対して注意しなければならない。というのが主な論旨のようだ。悪意だけではないと思う。日本人の奥さんなら、生活実感なのかもしれない。沖縄の海兵隊移転、普天間基地の移転等の交渉に置いて、日米政府が合意をしても、日本政府が沖縄に対して説明するときに、内容が変わってしまう。ということのようだ。沖縄県民批判でもあるが、むしろ日本政府批判でもある。鳩山政権が相手ではそう思われても仕方がない。その場限りの発言を繰り返したのは事実だ。日本人も2枚舌でだまされた。アメリカ政府の考えそのもだ。戦争で勝って占領し、基地を作った。自分のものである。自由に使うのは当たり前だ。この考えがアメリカの根本にある。その上で、いかに日本から費用を引き出すかが交渉の主題となっている。ケビン氏の考えで分かるように、日本人を守るなどということに、アメリカ人の命をかける訳がない。

ケビン氏は何と東大の東洋文化研究所の研究員であった。この学生の報告が正確でも、完全でもないと発言している。「日本の和の文化はゆすりの手段」これは面白い見方だ。是非とも、正確に完全に説明してもらいたいものだ。どういう日本文化の理解をしていて、沖縄文化をどう理解しているのか、是非ともその学生へ行った講義を再現してもらいたい。どのように和の文化や沖縄の文化を理解しているのか。聞かせてもらおうではないか。アメリカの本音の文化論が聞けるはずだ。欧米人には東洋人の経済的優位を我慢できない。どこか蔑みがあると、フランスに居た頃よく感じた。人種差別というより、能力差を前提にしているように感じた。フランスの美術学校で、日本には絵描きはいないでしょう。等と話している認識なのだ。立場が逆転した時、この日本文化論がどう変わるか。人間として、それぞれである。その上で、アメリカが沖縄を都合のいい軍事基地として、ただ乗りしている現状をきちっと説明してもらおう。

アメリカという国は、奥が深い。この講演を聞いた学生たちの一部が、充分話し合い、統一的な講義録を作り出した。ここがアメリカ人の素晴らしいところだ。うやむやにしてしまわない。こういう正義感は確かに強い。まさに何もかもアメリカなのだろう。アメリカの中にある善意を思うと申し訳ないが、世界の状況は変わっている。アメリカが一番迷惑な国に成り始めている。日本がアメリカを必要としない日は近い。北アメリカ、ヨーロッパ、東アジア。経済的には大した違いはない。しかも成長余力はどこの地域が大きいか。アメリカだけが経済で有利という時代は終わり始めている。どこの国でも同じに働けば、同じ暮らしが出来るようになる。それは日本も同じだ。どこかの国を搾取して、日本人の豊かさが維持されるのでは気持ち悪い。搾取ではなく経済協力とか、その国の為だとか変えてはいるが。同じことである。

 - Peace Cafe