非正規雇用
派遣労働者を生み出した、改正労働者派遣法に問題がある。この法が在る以上、生産が下がれば、突然の解雇は起こる。法に従った処理であり、企業はその予定での雇用であった。道徳や正義を持ち出してくるのは筋違いだろう。雇用の問題は生きる基本の問題だ。職業に真剣に対面してこなかった労働者と、それを利用してやろうと言う企業の思惑の付けが来ている。労働組合の運動論が間違っている。労働者たる自己認識に欠けている。企業の繁栄が自分の身分保障にも重要であるから、非正規雇用を受け入れる判断をしたのではないか。こうした正規雇用の自分だけがよければよいという、組合の姿勢が、最悪の非正規雇用で生産を調整する企業を生み出した。それが日本企業の強さとして承認してきた。労働者の権利を主張しない姿勢が、企業の理念目的の変貌に繋がったのではないか。
強者をコントロールするのが政治の力のはずだ。今更ではあるが、特別な職種の一定の雇用期間、以外の非正規雇用を禁止するしかない。企業への解雇の中止依頼を政府はしているらしい。非正規雇用者が解雇された場合、先ず住宅がなくなる。それが外国人労働者だったら、どうなるのだろう。国に帰れで、済むのだろうか。弱者をより弱い立場に置き去りにした政策の結果である。報道も今更のごとく騒いでいるが、そもそもこの法が出来た時この結果が、予測できた。騒がないよりはましだが、この法を容認した、自らの反省の上に経たなければ、何も解決はしない。企業の圧力による政治の方向性のがこの状況を生み出した。日本企業の国際競争力が技術力や、先見性に基づかなく成り始めたのだろう。
改正労働者派遣法ができたのは、平成16年3月1日問題が起きる前に予知して、大きな衝撃にならないようにするのが、政治の行うべきことだろう。現在の大不況も、予知して対応するのが政治の力のはず。日本国の現在を、困難な所に導いた一番の責任は、ただただアメリカの言いなりに、グローバリゼイションに日本を導いてしまった。小泉政権である。イラク戦争において、原爆も大量破壊兵器も存在もしないのに、存在するとの思い込みまたは、虚偽に踊らされた日本。その巨額の戦費が、今のアメリカの経済破綻の元凶である。米政府によるイラク復興ですら、官僚的な縄張り争いや甘い見通しなどの結果「1000億ドル(約9兆1000億円)の失敗」に終わったと指摘する報告書の内容を報じた。復興内容を検証しているボーウェン特別監察官がまとめ、2月に公聴会に提出されるという。
それでは日本はどこに向かえばいいのか。このことを真剣に、国民一人一人が考えるしかない。政治家は自分の保身や野心で、国の事など考えているようには到底見えない。この苦境は国の方向を変える、大きな契機にもなる。失業者がいるなら、どうやって農業分野で働いてもらえるか。その仕組みを考えたらどうか。アメリカは巨大企業の救済に、税金を使っている。日本が失業者の為に、農業に税金を投入しても、問題はない。労働力に余剰のあるこの機会に、もう一度食糧自給率100%の国戻れる。本当の環境立国に立ち戻れる。間違ったグローバリゼイションから離脱できる。国民の間に、この国の未来に向けて、大いに議論が起こることを期待する。