広域ごみ処理
昨日は平塚でごみ弁連の梶山弁護士の講演があった。必ず小田原地区での広域化問題で役に立つ事が、あると思い、聞かせていただいた。
1、最新型炉のこと。新しい炉は高度化していて、故障が多く、運転技術が難しい。熟練した運転手がいなくなっている。マニュアル的な対応巾が少ない。運転コストが、80%上がっている。
2、溶融炉のこと。高温化でダイオキシン以上に発ガン性等でリスクの大きい、物質が生成されている。バブフィルターによっても除去できない。
3、炉から排出されている物質のうち、チェックされているのは5物質で、99%のもの、ほとんどのものは検査なく排出されている。
4、焼却炉の耐用年数の20年はあくまで目安であり、30年使って問題ない焼却炉は幾らでもある。
5、ゴミは減少していて、大きい炉を造る必要はない。焼却炉は必要最小限にしたほうがいい。炉がなければごみを減らさざる得ない。
6、事業ごみの取り扱いを考える事。事業ごみがごみの総量の60%と考えられる。これは自治体が取り扱う義務はない。排除しても法律的に問題がない。名古屋市でごみが減ったのは、事業ごみを排除したからだ。
7、家庭ごみの本当の量は一人当たり、1日300グラムと考えておけばいい。
8、人口推計を何処の自治体でも多めに取る。老人家庭はごみの排出量は少ない。ごみの量は減少しているため、大きな炉があちこちで余ってきている。もし、事故や災害で、炉が停止した場合、どこかの余っている自治体と、協定を結んでおくとと良い。
9、費用さえ掛ければ、どんな排ガスも規制は出来るが、費用対効果を何処まで見るかだ。
10、良い焼却を行うには、徹底した分別である。重金属類。塩類。プラステック類。の混入を何処まで防げるか。
11、中途半端な製造者責任でなく、製造者に処理責任を課さない限り,本質的解決はない。
12、老人マンションなどのごみを調査し、年齢別のごみ原単位の調査の必要がある。
13、平塚では現在日量240トンのごみを燃やしているが、315トンの炉の必要を国は指導している。
14、平塚では、市民参加無く進んでしまったため、市民が何も知らない間に、実施計画が出来てしまった。焼却炉の建て替えが、いつの間にか決まっていた。
15、ストーカー炉を使い、投入するごみの事前分別、事前処理、を徹底し、熟練の焼却技術者が操作する。これが、現在の所一番いい方法。ストーカー炉はプラステック類の焼却には向かない。東京都が今このことで、問題化している。
16、諸悪の始まりは97年5月「広域化通知」が招いたもの。交付金を餌にした、国の方針の押しつけ。自治体の専権事項でありながら、自治体の自由度はない。
17、最新炉に変えて、運転コストに悩む自治体が増えている。
18、家庭ごみの有料化は欺瞞。事業系ごみとの関係。家庭は既にごみ処理費用を税として払っている。
19、広域化は多くの自治体で、秘密裏に進めている。市民が知れば、反対がおきる内容である事を知っているからだ。だからこそ、市民が速く事実を知り、市民が必要とする、本当の事を調べて行く必要がある。
20、ごみの減量を本気で取り組む以外、道はない。
小田原は幸いな事にまだ間にあう。今の段階なら、市民が参加して、検討することが可能な段階である。もし、市民参加を認めないなら、ここが戦いどころになる。この先に進ませてしまえば、平塚の事例からしても戦いは困難さが増すばかりである。進んでから、戻る事は城下町ホールの事を見ても、いかにも無駄が出る。今の段階なら、何の無駄も無く、市民が検討に加われる。現在は、環境課の広域担当の数人が、勝手な計画を進めているにすぎない。責任あるものを提案するなどと、発言しているが、人口推計でも、既に間違ってきている。ごみの総量予測は、はるかに大きなものとなっていて、巨大な無駄な焼却炉が提案されることになりそうだ。パブリックコメントで、市民の意見を聞くから、問題ないと。言われているが、あくまでそれは形式だ。城下町ホールですら、充分に市民の意見は聞いて作ったと言っている。ごみの事は、市民の市政参加の良い学習内容だ。一日も早い、市民参加の実現を。
昨日の自給作業:田んぼの畦の草刈2時間 累計時間:14時間