笹鶏肉の燻製の作り

   


少し寒くなってくると、鶏肉が美味しくなる。燻製を作ることは冬の間の楽しみだ。自家繁殖していると、半分生まれる雄鶏に困る。雌鳥が毎年100羽必要となれば、当然100羽の雄鶏が生まれる事になる。工業的養鶏では、この生まれたばかりの雄鶏は、焼却処分されたる。それは良くないと、もったいないというので、豚のえさにしているという話も聞いたことがある。

一時何とか、雌だけ生まれるように、卵で鑑別する事を試みたが、ダメだった。いずれにしても、生まれてくる雄鶏は大切に食べるしかないと思う。8ヶ月から12ヶ月の短い命と言う事になるが、誕生させる以上、食べてあげる事が唯一できることだ。1年近く育てると言う事は普通の養鶏ではありえない。一日、3円の飼料を食べるとしても、900円になる。これに、肉にさばく為には、250円。これが原価。だから、労賃は別にしても、1500円になる。

何故そんなに長く飼うのか。せめてそのくらいは育てたい気持ちがある。肉も一応鶏肉の味が出てきて、まだ普通に食べる事ができる硬さだ。私自身が食べるなら、3年経った雄鶏を、これが鶏肉だなと味わうが、1年ぐらいが丁度いいところだ。

笹鶏肉の好きな食べ方の一つが、燻製だ。燻製も色々作り方はあるようだが、醤油、味醂、日本酒、この組み合わせの漬け込み液をつくる。野菜は入れない。スパイスも、オールスパイスを少し使うだけだ。笹鶏の味を生かすには、余り野菜の味を入れてしまわないほうがいい、素朴で美味しく感じる。

①鶏を4ばらしにさばく。
②9日の夕方に塩(クリスマス島)をすり込む。
③調味液に漬け込む。冷蔵庫に保存する。
④毎日一回裏返す。
⑤12日夜に物干しに干す。(写真)乾くまで8時間
⑥13日燻製にする。温燻法と熱燻法の中間ぐらいで行う。1時間30分から2時間
現在、60度前後で、燻製を続け、3時間30分です。もう少し温度が上がるかと思いきや、上手く、調整が出来て、60度になっています。だから、温燻法で通しました。そこで、時間をのばして、4時間やるつもりです。その後、しばらくそのまま置きます。

ドラム缶で作った、燻製器です。温度調整が難しく、もっと上がると思ったのですが、上手く行きました。チップはウイスキー樽を使ったヒッコリーです。いつもは桜です。桜より煙の味が弱いように思いますが、こちらの方が、鶏の軽い味には良いようです。食べる前にもう一度、火を入れて温かいところを食べるのもいいと思います。

燻製は中々面白い食べ方で鶏だけでなく、魚介類が特に面白い。買ってきた干物なども、燻製して食べると、すばらしい味になります。保存法なのでしょうが、一度燻製にした物を、しばらく保存して、寝かせて味を馴染ませて、それから食べると、これが又良い。青ヶ島には伝統食の燻製があります。縞鯵の大きい奴を燻製にして、保存しておき、これを囲炉裏で暖めて食べる。思い出しても、唾がたまるほど美味です。

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