貿易戦争始まる。
世界は貿易戦争の時代に入ったと考え始めた。報道一般では、貿易摩擦と矮小化して伝えている。新しい形の戦争が起きたと考えた方が情勢判断が明確になる。経済封鎖は武力介入に等しい攻撃結果をもたらしている。食糧の自給のできない日本としては、食糧輸入が途絶えれば、食べ物に困窮してしまう。北朝鮮、イラン、ロシアと経済封鎖が続いている。経済封鎖はする方としては痛みは少ないとしても、受ける方は大きな苦しみを受けることになる。世界大戦と考えるべきこととして、米中の貿易戦争は深刻な状況が近づきつつある。武力があまりに巨大化してしまい、さすがに直接的武力衝突が出来ない状況が生まれている。経済の摩擦を高めてゆき、貿易戦争に至る。地上げ屋的トランプが札束で人を従わせようとしている。習近平も、プーチンも、そして日本のアベも、見え方は違うが基本的思想は違わないのだろう。経済力の違いが態度の違いに現れている。
確かに武力よりも経済の方が間接的であるだけに、まだましとは言えるが、力によって相手を黙らせようという事に変わりがある訳ではない。日本は経済戦争に対する新たな国の安全保障を考える必要がある。アベ政権の場合はトランプに付いて行けばという事だが、経済戦争である以上発想を変えなければ、日本は対応が出来ないことになるだろう。経済的側面からの安全保障が重要になっている。武力主義からの意識転換が必要である。トランプにぶら下がろうとしても、アメリカは一国主義である。アメリカ有利になるように脅して従わせる。戦争なのだから、日本の都合など聞くはずもない。日本の自動車のアメリカでの販売が制限されたときに、日本がどうなるかである。農産物輸入が出来なくなった時の、日本の食糧確保はどうなるかである。自由貿易が世界経済を発展させるという共通認識が崩れつつある。資本主義の悪い側面の方が目立ち始めた。力の強い者が、競争の勝利者が暴力的に意思を通す時代に入ろうとしている。国家間の階級が生まれつつある。
食糧の自給を日本は本気で進める必要がある。もう時間の余裕がない。食糧生産力の低下が日本の弱点になっている。日本人を経済で脅すのは食糧を断てば、簡単なことになる。アベ政権は自動車輸出の為には、食糧は譲らざる得ないという方針のようだが、食糧を譲れば、今後貿易戦争では極めて不利な状況に置かれるだろう。食べ物がなければ、アメリカの経済攻撃に言いなりにならざる得ない。自動車の交渉だって従わざる得ないことになる。そこが経済戦争なのだ。食糧の自給に関して、緊急的見直しをしなければならない。食糧自給率をまずは3分の2まで戻す。引き続き100%自給を目指す。国家としての基本だ。コメ、麦の生産体制を確立する。大規模化の可能な地域では、地域全体での生産体制の確立。小規模農業しか不可能な地域では、小規模でも可能な農業の形を政府が具体的に提案する。そして、市民の自給的農業の参入を可能にする農地法の改革。食糧生産の30%ぐらいまでは自給的農業で賄う事が可能だ。地域に適合した新しい農地利用の形態を組み直す。ここ数年の間に、危機が来ると見ておいた方が良い。想定外では済まないことになる。
外交的な政策としては新しい重層化した、経済連携を模索する。アメリカ一国主義対して、弱いもの連合を作り対抗する。まとまればアメリカと言えども怖くない。だからアメリカは2国間交渉を求めるのだ。弱いものが仲違いしている場合ではない。アベ政権のアメリカ依存は危険をうむであろう。トランプに媚びれば、日本だけ有利に進むなどと甘いことは考えない方が良い。アメリカの入らなかった、環太平洋貿易協定を逆手に取り、アメリカと対抗する組織とする。アメリカとの個別交渉は受け入れない。そして中国を含めた、アジアの新しい経済の枠組みに入る。互いを必要とする経済関係の構築。強い者が勝つということが通らないような対抗手段。正義が通る世界の構築を日本主導で提唱する。アメリカへの軍事力依存はもうやめなければならない。軍事力の意味は北朝鮮問題以降変わってゆくはずだ。軍事力に寄らない平和主義。ここでも平和主義連合である。弱いもの連合である。正義の通る世界を目指すことだ。