トランプのアメリカ
アメリカはトランプ大統領になって実像がよく見えるようになった。トランプ式のアメリカ独善の主張がアメリカの本音なのだ。55年前の世田谷高校の頃、饒平名先生から学んだことだ。饒平名先生は沖縄出身の方で、アメリカに留学された後世田谷高校に講師で見えて英語を教えられていた方だ。沖縄の駐留米軍のことを考えて来て55年間、アメリカという国はまさにトランプ氏のような国だと考えてきた。トランプ氏と駐留米軍は重なって見える。アベ政権のアメリカ一辺倒外交がいかに馬鹿げているかを猛省しなければならない。日本が東アジアの一国であるという事を認識する良い機会である。日本は独立国であり、アメリカの属国ではないという当たり前の所に立たなければならない。その上で、世界がこのまま行けば、崩壊の危機にあるという事を認識する必要がある。世界各国が自国の目先の利害にとらわれている。その原因は資本主義とグローバル企業の問題である。
ヨーロッパではイギリスのEU離脱。韓国では朴槿恵政権への批判が爆発しかかっている。中国は拡張主義で利益を追い求めて、止まるところがない。世界中がこうして、あさましくもがき始めている。アメリカにも相手のことを想像できる人も居る。中国にもいるだろう。しかし、そうした各国の中にある良識が、拝金主義に押しつぶされている。それが現代世界の民主主義の実態となってきている。日本も当然のごとく、その後追いをしようというのがアベノミクスである。こうして世界中が自国の利害を汲々と求めるあさましい姿。日本もその潮流に遅れまいというのが、アベ政権であろう。世界中がお金という価値感の独裁政権が始まろうとしている。それは資本主義の予測された収束点なのだろう。アメリカも確かに民主主義による選挙で、トランプ氏は大統領に選出された。しかし、その背景には自分だけの利益に視野を狭くしている、民衆の欲のうねりがある。
アメリカほど豊かな国でさえ、さらなる欲望を搔き立てるのが資本主義なのだ。アメリカは世界の中で最も経済力のある国である。しかし、その背景には1%の人が富を握り、99%の人が貧困の不安を抱えるという格差社会なのだ。アメリカ人の大半の人が1%の富豪になるアメリカンドリームより、貧困に落ち込むことが恐怖となっているのだろう。トランプ氏が大統領になったところでアメリカは変わることはない。アメリカは以前からトランプ式の本音を持っている国であった。アメリカの言う正義は結局アメリカが得をする利権の正義である。アメリカは沖縄に駐留するのはアメリカの利益の為である。日本から70%の費用を出してもらい、30%の負担で米軍基地を確保できるから沖縄にいたのだ。トランプ氏は損だと思うとおりに、米軍を是非ともアメリカに戻してもらいたい。アメリカは自分の金で、軍隊の運営をすればいい。
米軍を引き上げると脅せば、日本は焦って金を出すだろうという浅はかな読み。それはアメリカの属国を脱する、つまり日本が当たり前の独立国になるという事だ。軍事力以外平和はないと考えるトランプ氏の思想は、弱肉強食意外を信じられない哀れな思想。弱肉強食の果てにある世界は、滅びゆく世界だ。世界の平和は軍事力をいかに削減してゆくかにかかっている。それ以外に道はない。日本の江戸時代の思想が世界を救える唯一の道である。まずは各国が自立する循環型社会を作ることだ。その上で、外国と付き合う事だ。と書きながらも期待が全く持てない。日本の安倍政権は、遅れに焦りながら、後追いのトランプ氏を目指すだけだろう。そして、大半の日本人が経済不安で安倍氏を支持する。このまま世界の混沌に巻き込まれてゆく。アメリカでも平和を求める人は、悲しんでいることだろう。平和主義者での連帯の道はないもものか。