神奈川県県西の水生植物園
県西部では一番見ごたえのある中井町の「厳島湿生公園」
神奈川県西部の水生植物の植えられているところを見て歩いた。舟原溜池の基礎調査である。まだすべてを廻ったわけではないのだろうが、今のところ7か所を見て歩いた。
1、南足柄三竹「森と水の公園」
2、大井町金子790「せせらぎの郷」
3、二宮せせらぎ公園
4、中井井ノ口1310「厳島湿生公園」
5、厚木飯山「アヤメの里」
6、開成町古田島「河原町水路」スプリングフォレスト周辺部
7、小田原城菖蒲園
溜池をこうしたらどうだろうという笹村私案の図。箱根の明星岳に続いた一番奥の集落の舟原集落の南に位置する。昔は子供たちが泳いでいたそうだ。私が初めて見た17年前には、まだ全体に水があり、オシドリが泳いでいた。全体では1500㎡ぐらいの面積。水は通年ある。周辺の環境半日陰状態でなかなか良い。一段高いところの3方向を田んぼに囲まれた状態、南側には水路がある。水は東側で土手でせき止められ、一番深いと3メートルぐらいの深さに水が溜められる。現在は水深10㎝から30センチくらいの池の状態が③の場所になる。安全を考えると、これ以上は水を深くできない。
「厳島湿生公園」のヒツジ草 鉢に植えられて、土の中に置かれているようだ。
水生植物園には昔田んぼだったところにアヤメや菖蒲を植えたというところが多いい。こういうところは水のない時期は、案外殺風景なものだ。通年充分の水のあるのは、小田原城のお堀と、厳島湿生公園の池と三竹の水と森の公園だろうか。一番環境が似ているのは三竹だ。大いに参考になる。6月初旬が花の時期という事なので、もう一度花の時期にも回りたいと考えている。
南足柄の三竹の森と水の公園のカキツバタ。ここはよく整備されている。水が溜まっているところの整備は良いが、湿地状態の場所は荒れてきている。この場所には卵の配達つで通っていたので、昔からよく見てきた。なかなか良くできた公園なのだが、人が来ていることはめったにない。結局花が少ない場所には人は来ないのだろう。カキツバタが4株ほどあった。それ以外は桜で、桜の雰囲気に違和感がある。桜を植えるようでは水生公園の方向性が曖昧に違いない。
二宮せせらぎ公園 全体が棚田の田んぼのように作っている。上部に井戸が2つ掘られいて、そこから年間通して水をくみ上げている。毎年すべての菖蒲を抜いて植え直している。草取りが大変だと言われていた。確かにこのやり方では草は困るだろう。草が自然の状態でコントロールできるようでなければ、管理で行き詰まるだろう。ここには管理事務所があって人が常駐している。入場料がある訳でなないので、大変な出費であろう。
カキツバタを植栽した神奈川県の開成町での水路事業。10年ほど経過してカキツバタは消えてなくなり、現在はこの状態。管理をされていた方によく事情を伺う事が出来たが、植え付けた段階から、植栽の場所に無理があった。雨があると水位が上がり土が流された。田んぼの水がない時期は水路の水が干上がった。こういうところではカキツバタはダメだという事のようだ。参考になった。これは国の事業だったようだが、何か最初の計画に無理があったようだ。
いずれにしてももう少し野趣のある庭が好きだ。いかにも公園ですという整備の仕方では、里山の感じにはならない。その意味では、お城や、神社や、お寺に付随した水辺の姿は悪くない。鎌倉などのお寺の庭にある、カキツバタはなかなか良いものだ。お寺の厳粛な空気を壊さないきりっとした姿が良いと思う。お寺の庭に、バラが咲いていたのではどうにもならないだろう。やはり花に花の場所がある。何処の場所でもショウブやアヤメの場合、毎年植え直すそうだ。冬の間乾燥状態で管理して、田んぼに水が来る時期になって水を入れるところが多い。いかにもという形で整列していて、菖蒲の田んぼという形になっている。自然の形がもう少し出た方が良いと思うが。その点カキツバタの方がその場所に合えば、自生したような感じになってくれるのではなかろうか。
花がない、水がないせせらぎの里 田んぼに水が来ないと水はない。こういうところではカキツバタは枯れてしまう。みのの流れのはやいところもダメだし、冬場乾燥しすぎるようなところもダメだ。やはり、舟原溜池にはカキツバタは選択の一つになりそうだ。庭だから園芸植物でいいとは思うが、帰化植物になるようなものは避けた方が良いだろう。