東芝の粉飾決算

   

東芝で長年粉飾決算が行われていたことが、騒ぎになっている。原子炉が福島で壊れてから、この会社のおかしさは増したようだ。早く上場を停止させる必要がある。3人の社長は当然逮捕し、収監して詳しく調べる必要がある。ホリエモンと同じことだろう。日本発のグローバル企業がこんなことをしているのだから、企業などというものほど倫理を失っている。3人の社長がそろって、罪の意識がない。当然のことだろう。利益至上主義だと、糾弾されているが、企業が利益至上主義は当たり前のことに違いない。もっと頑張って利益を上げろと社員に指示を出したことが、粉飾決算につながったという筋書きのようだが。そこがおかしい。社長に指示に従って利益を嘘で塗り固めたことが問題なのだ。つまり、出世したいから、上司の気にいるように犯罪に手を染める社風だということなのだろう。まあ原発を作るような会社だから、そういうことになったのか。そういうことは関係がないのか。会社とは縁のない人生だから、企業というもののことが良くわからない。

儲かるなら、何でもありというのがグローバル企業だと考えているが、東芝もそうだったのではないか。安倍氏の背景にある精神風土と近いのではないだろうか。安倍氏を軍国主義者だと考えていたのだが、実態が見えてくるに従って、金権主義者の方だということが分かった。安倍氏がただの右翼なら、まさか明治の産業遺産のいちゃもんに対して、強制労働を認めるわけがない。アベノミックスのためなら信じるものも売り渡すタイプの人なのだ。そこがたぶん票を集めた、日本人に受けるところなのだろう。ところが、世界企業をバックアップするためには、自衛隊の海外出動も必要だということになった。石油輸入のためなら戦争も辞さないとなった。中国との経済競争に勝つためなら、アメリカとの軍事同盟を強める。東芝という会社でおきたことは、日本の大企業一般の精神ではないだろうか。会社が儲かるなら、日本がどうなろうと構わないという馬脚が見え隠れする。その東芝の手先が原発再稼働を推進し、原発輸出に熱心な安倍政権なのではないか。

利益至上主義が限界を超えた。利益を一部の人がため込み始めている。東芝を見ていると、企業倫理などというものはないと考えたほうがいい。その結果、格差社会が深刻化している。子供の6人の1人が貧困という、経済大国。年々、生活保護世帯が増え続ける経済大国。利益を生み出した人間が多くもらうのは当たり前という社会。つまり日本がアメリカ化してきたのだ。貧しい人間が貧しいことは、自己責任だという社会がやってきているのだ。能力主義社会。それでなければ、人間は努力しない。人間を信じていない社会である。もうひとつ怖いのは、6人のうちの5人がその貧困に気付かない社会である。貧困が囲い込まれ隠れている社会。たとえば路上生活者は減少した。と同時に、貧困ビジネスが登場している。生活保護費のピンはねである。行政も、路上生活者が社会に存在しているより貧困ビジネスに収容されたほうがましだと考えている節がある。

日本全体の方向を立て直す必要がある。遠回りのことだけど、どんな自分になりたいかである。人間それほど悪いものとは思わない。せっかく生まれてきたのだから、なりたい自分に向かって、自分を全うするということだろう。一人の方向も、会社の方向も、国の方向だって同じことだと思う。美しい日本、瑞穂の国日本。このことを総理大臣が口にするだけでなく、実行に移せば価値観が変わる。美しい日本に、原発はいらないだろう。東芝はこの機会に会社の方向を変えたらどうだろう。しかし、報道の大企業批判は実に甘い。例の、産経と読売以外の報道には、広告を出すなという、自民党の研究会の発言である。東芝から広告をもらっている報道は、矛先が鈍くないか。これは明らかに粉飾決算で、社長の収監、東芝の上場停止以外考えられない。どうした、NHK。こういう時こそ出番だろう。

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